自治基本条例のたたき台を示す/市民フォーラム開催
(2010年8月22日)
考える会による検討経過報告
自治基本条例を考える市民フォーラムが、21日にシティギャラリーコアホールで行われた。
同条例づくりを進めている「高崎市自治基本条例を考える会」では、今年6月から7月にかけて、市内各地域で10回のタウンミーティング(座談会)を開催し、市民の意見を求めてきた。タウンミーティングには、222人の市民が参加し、まちづくりに対する生の声が寄せられた。この日のフォーラムは、こうした市民意見を集約しながらまとめの作業に入っている条例案の現状報告を兼ねたものとなった。
松浦市長は「高崎市が一体的に発展するためのルールを定める必要がある。高崎らしい市民力を生かした自治基本条例づくりを進めてきた」と、あいさつの中で条例の位置づけについて述べた。
考える会から現状報告として示された条例内容は、前文と10章の条文で構成され、まちづくりの基本方針、市民・議会・市の役割、住民投票の考え方などが盛り込まれている。考える会では、これから更に検討を行い、10月に市長に提言書を提出する予定。来年4月の施行をめざす。
アドバイザーの佐藤徹・高経大准教授は「自治基本条例は、つくる過程が大事。制定後は条例をどのように生かすか、どのようなまちづくりを進めていくかが大きなポイントになる」と、高崎市のまちづくりビジョンを描くことの重要性を強調した。
特別講演では、平成17年に自治基本条例を制定した東京都文京区の成澤廣修区長と明治大学の牛山久仁彦教授が対談形式で「自治基本条例とまちづくり」について語った。成澤区長は、議会と自治基本条例について文京区の例を示して説明。また成澤区長は、市から住民への権限移譲を、国から県、県から市への権限移譲に続く第三の分権として考え「市民が新たな公共の担い手になれば第三の分権の受け皿になる。自治の新しい営みが高崎で始まることを期待したい。5年後にお互いの成果を報告しあいたい」と高崎市に期待した。
オープニングコンサートで、元群響の須田千香良さんと考える会メンバーの竹内美和子さん、休憩時間には育英短期大学ヘルマンハープ部の演奏が行われ、来場者を楽しませた。