緑化フェアで育った花のボランティア
(2010年7月27日)
緑化フェアでおなじみとなったピンクのユニフォームで作業
まちなかの花壇の手入れ/地道な活動に誇り
平成20年3月から6月まで全国都市緑化ぐんまフェア高崎会場が開催され、まちなかが花と緑で飾られた。高崎会場は全国初のまちなか開催として注目され、修景、運営など今後の緑化フェアの方向を示しただけでなく、緑化により都市の力が高まることを実証した。
会期中、まちなか会場の花壇の管理、手入れを行った緑化ボランティアの人たちが中心となり、都市緑化の新たな担い手として活動している。
緑化フェア終了後の10月、ボランティア有志50人で「花みどりの会」=平究(たいら・きわむ)会長=が組織された。メンバーの多くは、緑化フェアの準備段階から関わり、フェア終了後もまちなかに花壇を残してほしいと考えていた。高崎市も、緑化フェアを通じて、都市緑化の担い手を育成し、まちなか緑化の持続をはかっていた。緑化フェアの後継事業として、高崎市は「花路花通り」を翌年度から行い、ボランティアの活躍の場となっている。
同会は、高崎市からの依頼も受け、高崎駅から城趾地区に至るシンフォニーロードを中心に、歩道花壇の管理を年間を通じて行っている。活動は4日に一度。このサイクルで行うと、活動の曜日がずれるため、会員がまんべんなく都合の良い日を選ぶことができるそうだ。毎回10人ほどが参加している。年齢層も40代から80代と幅広い。2千円の年会費を集め、自費で運営している。緑化フェアでおなじみとなったピンク色のユニフォームがボランティアのシンボル。作業をしていると、市民からねぎらいの声がかかり、活動の励みとなる。活動は午前9時から2時間程度。今夏は猛暑のため、十分に作業できないのが悩み。自主的に早朝作業を行う会員もいる。
小さな子どもを連れた若い母親が、「家に花壇がないので子どもに花を見せたい」と訪れたり、高崎病院に通院する患者の心をなごませる例もあるそうだ。
「まちなかの花や緑は心を癒すので、歩いて楽しいまちになってほしい」とメンバーの気持ちが一つにまとまっている。活動を通じて、植物や園芸の知識も豊かになる。「体験しながら学べるので活動が楽しい。活動スケジュールのハガキが毎月送られてくるのが楽しみ」と生きがいづくりになっている。
宇都宮市や愛知県豊田市から活動の視察も受けた。「地道な活動を続けてきた。花と緑の輪が広がっていくとうれしい。高崎から発信していきたい。自分たちの活動を誇りに思っている」と喜びにあふれている。「自分たちで自由に植裁できる花壇を一角にほしい」というのが会の夢だそうだ。