誤発射事故で地元区長に説明会/北関東防衛局
(2010年7月7日)
配布資料に示された「79式対舟艇対戦車誘導弾」
防衛省北関東防衛局は、陸上自衛隊吉井弾薬支処で4月22日に発生した「79式対舟艇対戦車誘導弾」の事故について、6月16日と18日に近隣区長に対して、事故後の対応について同支処内で説明会を行った。
対象とされたのは近隣吉井地域、南八幡地域の区長17人で、同所近くの馬庭小学校、保育園にも説明を行った。説明会に欠席した区長2人に対しても、個別に訪問し説明した。
区長への説明実施後、6月29日付、吉井分屯地司令名で同地域に対し、区長説明会と同じ資料を添付して回覧で報告した。
説明資料は、5月27日付で方面総監部広報室が作成した「79式対舟艇対戦車誘導弾の出荷前点検の再開について」で、同日に報道機関に対して配布されたもの。
説明内容は、事故の概要、事故調査委員会による調査内容と分析、事故原因、再発防止策など。事故調査の中で、事故原因は飛翔体コネクタ部に短絡が発生していたこと、点検器を操作していた隊員が点検器のOFFスイッチを押し忘れたこと、飛翔体の点検ケーブルを外す順番を誤ったことが示された。間接的な要因として、業務の経験が浅い隊員同士の組作業であったこと、各組ごとに安全係が指名・配置されていなかったことが判明した。
再発防止策として、作業手順の徹底、飛翔体コネクタ部への異物付着防止処置、整備員の能力に応じた作業編成、安全管理の徹底が示された。
吉井弾薬支処では「事故については明らかにしていきたい。このようなことが二度と発生しないよう再発防止策を確立し、安全管理に万全を尽くすので、ご理解とご協力をいただきたい」と話している。