陸自・近日に区長へ説明か/ミサイル誤発射事故
(2010年6月13日)
4月22日に吉井町の陸上自衛隊吉井弾薬支処で対戦車ミサイルが誤発射された事故について、11日の高崎市議会6月定例会一般質問で山田行雄議員が一連の動向について質問した。
誤発射されたミサイルは、79式対舟艇対戦車誘導弾で、出庫前点検の際に接続部の異物に気が付かなかったことや、手順を誤ったことなどで誤発射し、壁を突き破り、防護用土累で止まった。敷地外の被害は無かった。
山田議員は、住民の不安が募っていることから、吉井弾薬支処に備えられている弾薬の品目や規模を高崎市が把握しているか質問した。
高崎市は、陸自から「防衛上の機密で公表できない」と伝えられていると言う。吉井弾薬支処は、首都圏・関東甲信越・静岡の1都10県を防衛する陸上自衛隊東部方面隊に弾薬を補給していることから、山田議員は「相当規模の弾薬が備えられているのではないか」と意見を述べた。
こうした事故での危機管理と住民説明についても課題が示された。事故が発生したのが午後2時で、高崎市吉井支所に弾薬支処から事故の連絡が入ったのが午後2時58分で、およそ1時間後となっている。事故の翌日に、おわびと再発防止の回覧が回った。5月27日に陸上自衛隊から、事故に対する調査結果と安全管理に万全を尽くすことが示されたが、松浦市長も詳しい説明を要請している。
一枚の回覧文書だけでは、事故の内容や再発防止対策について、十分にわからないことから、議員は地域から不安と怒りの声が聞こえている」と指摘した。近日中に、陸自から近隣の区長に説明が行われる予定だと言う。
高崎市は「住民が不安を感じている。自衛隊と市民、市が共存できることが大切だ」と考えを述べた。