レアリスト美術展開かれる
(2010年6月9日)
作品について語りあうギャラリートーク・合評会
6月4日から9日まで高崎シティギャラリーで第38回レアリスト美術展が開催された。美術集団レアリストは、画家の井田秋雄さん、彫刻家の吉田光正さんら高崎市や近郊の芸術家13人が所属している。
会の歴史は古く、戦後の新しい芸術の息吹を受け1960年代に発足した。「ヨーロッパから刺激的な芸術がどんどん入って来る。日本の芸術が問われた時代だった。芸術とは何か、美とは何か考えていこうと、若い芸術家達が集まった」と井田さんは、発会当時を振り返る。
6日には、ギャラリートークを兼ねた合評会が行われ、会員が自身の作品について語った。手島まき子さんは「人間が生きていく時間の積み重ねを描いた」、藤井靖さんは「たくさんの色を使うことが今回の目的。東洋のシュールレアリズムを表現したかった」と作品を紹介。小倉進さんは「ストレートな表現が自分としてスッキリした」、小用キヨシさんは「自分の世界を描きたい」と話していた。井田さんは「世界が壊れてくるような感覚がある」と社会に対する不安を観音山と烏川の風景の中に描いた。
会では「若い芸術家が活動する場が必要。若者に会員になってほしい」と参加を呼びかけている。来年は県外からも公募する大規模な展覧会を予定している。