鳴りやまぬアンコール/沼尻さん就任披露・群響定演
(2010年5月23日)
コンマスの水谷さん・伊藤さん、首席指揮者の沼尻さん。就任を祝ってオーケストラだるま贈呈
沼尻竜典(ぬまじりりゅうすけ)さんの首席指揮者・芸術アドヴァイザー就任披露となる、群馬交響楽団の第463回定期演奏会が22日に群馬音楽センターで行われた。
定演では、ピアノにマルクス・グローを迎えたチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」とショスタコーヴィチ「交響曲第12番」を演奏。会場は満席となり、沼尻さんに対する期待の大きさが伝わった。演奏が終わると場内は大喝采で、鳴りやまぬアンコールに、沼尻さんと群響が何度もこたえた。
演奏後にロビーで行われたファンとのふれあいコーナーには、4月に全国最年少でコンサートマスターに就任した水谷晃さん、コンサートミストレスの伊藤文乃(あやの)さん、沼尻さんが顔を見せた。
水谷さんは「今日はぼくにとってスタートラインでもあり、満員のお客様に拍手をいただけた。これからも良い演奏を続けたい」、伊藤さんは「新しい群響のスタイル、今までと違った群響に期待してほしい」とファンにこたえた。
沼尻さんは「今日の演奏会で、幸先の良いスタートとなった。群響はオーケストラの機能美も身に付け、熱いパッションと一体になり、色々な曲が演奏できると思う。私が初めて群響で演奏したのは17年前で指揮を始めた頃。オケにはここに泉あり当時のメンバーもいた。音楽する気持ちは昔から熱かった。今まで群響は地方オケとして苦労してきた。また地方オケはどこでも、自治体や住民にお願いばかりしているので、お願いだけでなく、やるべきことをやろうと思う。皆さんが群響の主(ぬし)であり、皆さんのために必死で演奏する。甘やかさないで、ダメな演奏だったら言ってほしい」と意欲を見せた。
またファンから、群響と他のオケとの違いについて質問され、伊藤さんは「地元に根付いていることを肌で感じる」、水谷さんは「県民、市民が支えているのが実感できる」と答えた。沼尻さんは「東京のオケは地元意識が希薄。群響は、誰のために演奏しているのか、こちらから顔が見える」と話した。
就任を祝って、吉田だるま店から「オーケストラだるま」がプレゼントされた。水谷さん、伊藤さんに贈られただるまはヴァイオリン、沼尻さんに贈られただるまは指揮棒を持っている。