中尾中の実践「中一ギャップ」に効果/不登校防止
(2010年3月30日)
高崎市教育委員会は、中学校進学時に学習や生活の変化で不登校が増える「中一ギャップ」、「中一プロブレム」の解消に向けて、実践的な取り組みを行っている。
不登校児童生徒数は、群馬県の平成20年度学校統計で小学校が県で334人、高崎市が54人。中学校が県で1679人、高崎市で292人。高崎市では、平成19年度に比べ、20年度は不登校数は減少しているが、中学生の不登校は3%で、およそクラスに1人となっている。
不登校のきっかけになる時期として、中学校進学時が問題とされている。小学校6年生から中学校1年生になるときに、不登校数が県平均で4倍、高崎市では2・6倍に増えている。子ども達が不登校になってしまう理由は明確ではないが、思春期という精神的にも難しい時期を迎えることもあり、勉強や学校生活への不安などが原因として想定されている。高崎市では、いじめが原因となる不登校が2件あった。
高崎市では、教育センター事業として、市内8カ所に適応指導教室を設け、不登校になってしまった子どもたちの学校復帰に向けた活動を行っている。未然防止では、子どもたちと教師の触れ合いを大切にし、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーによる教育相談などを実施している。
今年度は、中尾中学校での実践事業が成果を上げた。中学生が母校の小学校で6年生に語る「ようこそ先輩」、小学校6年生が進学前に中学校を訪問見学する、中学校の先生が小学校で授業をするなどの取り組みを行った。例年、7月頃に不登校が急増するが、今年は中尾中ではゼロとなった。市教委では、「中一ギャップ」の解消に中学校と小学校の連携が重要としている。
22年度は、新町中学校で「中一ギャップ」の重点事業を実施する。