観光振興/郷土料理や体験型観光が重要
(2010年3月23日)
大宮副学長が観光振興計画について説明
観光体験プログラム
魅力の発信はまず市民の口コミから
このほど策定された高崎市観光振興計画の皮切りとして、市民参加で高崎市の観光資源を掘り起こすイベント「キックオフプログラム」が22日に行われた。計画期間は平成22年度から31年度までの10年。高崎市の特色ある観光資源を生かし、交流人口の創出と地域経済の活性化、豊かな市民生活の実現をめざし、官民一体で進めていく。
キックオフプログラムには、実際に高崎の観光を体験してもらうミニツアーが盛り込まれた。観光名所を回る5コースが用意され、百人を越える参加者が集まった。高崎市観光振興計画策定委員会の会長をつとめた高経大の大宮登副学長から計画概要が参加者に説明され、これから高崎市がめざす観光施策について市民の理解を求めた。
観光計画は「出会う広がる高崎体験」をコンセプトに、高崎らしい観光ブランドづくりなど4項目を基本方針に掲げている。高崎の観光入り込み数は年間624万人で消費額推計は201億円。県内では草津など温泉地を除けば、都市部として多く、ともに増加傾向にある。
近年、団体から個人へと旅行の嗜好が変化し、地域の生活や食文化に触れる体験観光が注目されている。調査では、観光客は高崎の自然や歴史、郷土料理に興味を持ち、榛名湖、榛名山、白衣観音が主な訪問先に上げられている。情報源では、口コミが重視され、市民一人ひとりが高崎の魅力を語っていくことが、集客に大きな力を発揮する。また、高崎だるまや榛名・箕郷の梅林なども、市民は常に身のまわりにあるために珍しさは感じないが、来訪者は高崎の大きな魅力に感じている。これまで個々にバラバラで取り組んでいた観光PRや基盤整備を系統化し、新たな観光連携をはかっていく。そのためにも、市民が中心となって高崎ブランドを発信し、おもてなしの心で来訪者を迎えることが大切だ。高崎市民は、高崎が観光地という意識が薄く、来訪者に対し、市内の観光地や郷土料理を積極的に勧めることがなかった。この日の体験プログラムは、まず市民が高崎観光の第一の理解者となり、おもてなしの情報発信をしていく第一歩となるもの。
計画では、中心市街地の観光回遊、高崎だるまの活用、榛名湖の新たな名物づくり、コンベンション支援体制の構築など8事業を向こう3年間で立ち上げ、観光力アップに弾みをつけていく考えだ。観光振興推進協議会を立ち上げ、体制強化をはかっていく。
大宮副学長は「関係者だけでやっても成功しない。市民が関わり地域の特徴を生かした事業につなげていきたい。住んで良し、訪れて良し。潤いのあるまちに人々は訪れてくる。やるか、やらないかが勝負。みなさんとともにスタートしよう」と市民の力が計画の成否をにぎっていることを強調した。