剣崎浄水場が土木遺産に/貴重な緩速ろ過
(2010年1月9日)
剣崎浄水場
百年の風格を持った石積みの「ろ過池」
高崎市の剣崎浄水場が平成二十一年度土木建築学会推奨土木遺産に認定された。
剣崎浄水場は、明治四十三年(1910)十一月に完成した群馬県内最初の浄水場。全国でも二十番目という歴史を持ち、今なお当時と同じ浄水方式で市民生活を支えている。
剣崎浄水場の特徴は、全国的にも貴重な緩速ろ過方式。「砂ろ過」と「生物ろ過」を組み合わせ、浄水の製造過程では、薬品を一切使用せず、二十時間という長い時間をかけてろ過している。
市街地よりも高台にあるという地形的な特徴を生かし、自然流下方式で供給しているのも大きな特徴だ。百年前のろ過技術が今日の水道水の衛生基準をクリアしていることも大きな驚きで、当時の高崎市の水道技術の高さを物語っている。
土木建築学会は、会員4万人。平成十二年に土木遺産の認定を制定した。平成二十年までに全国で百六十県が認定され、県内には丸沼ダム(片品村)、榛名山麓砂防堰堤群(伊香保、榛東、吉岡、箕郷)などがある。剣崎浄水場は県内で5番目の認定。