新たな卸売市場機能の創造を/開設三十周年記念式典
(2009年12月4日)
「三十周年を契機にさらなる発展をめざしたい」と市長
高崎市総合卸売市場株式会社(代表取締役・松浦市長)の開設三十周年記念式典が、十一月二十九日に市内ホテルで行われた。
高崎市総合卸売市場は、昭和五十四年十月に開設され、第三セクター方式による卸売市場として全国から注目を集めた。平成十三年にマグロを扱う大物低温卸売場を全国で初めて整備した。御影石によるマグロ置き台を考案し特許を取得し、高崎方式として全国に大きな影響を与えた。平成十七年に太陽光発電を開始し、場内の保冷庫に電気を供給。市場として全国最大規模で、先進的な環境取り組みを行っている。また同年に「移動販売業者支援センター」を開設し、多様なニーズに対応できるよう利便性の向上をはかっている。
また平成十五年に始められた月二回のニコニコ感謝デーは、市場を市民の台所として広く開放して親しまれ、毎回大勢の来場者で盛況を極めている。
近年、卸売市場は厳しい経営環境に置かれているが、高崎市総合卸売市場は、独自のアイデアで成功している全国でも屈指の成功例として認められている。
記念式典で松浦市長は「全国でも類のない3万坪の総合卸売市場としてオープンし重責を果たしてきた。活気あふれる市場として先進的な事業にも取り組み、高い評価を得ている。卸市場を取り巻く環境は厳しいが、都市施設として新たなチャンスでもある。三十周年を契機に、時代の変化に対応し発展をめざしたい」と意欲を示した。
大沢正明知事は「多様な生鮮を供給し県民の生活に欠くことができない。地方の拠点市場として生鮮の安定供給と農業振興のため尽力してほしい」と期待した。祝辞で、高崎市議会の田中治男議長は「使命はますます大きく、魅力ある市場づくりに精進されることを期待している」、中島篤県議は「先人の努力が今日の発展に結びついている。ニコニコ感謝デーでは市民に対する市場のみなさんの接し方がすばらしい」、高崎商工会議所の原浩一郎会頭は「次の四十周年、五十周年に向かって発展してほしい」と話した。
石井敬之助市場長は「新たな卸売市場機能の創造をめざしたい」と謝辞を述べた。また記念事業として三十周年記念誌を編纂、発刊した。