社会保険料に企業が負担感/雇用は現状維持・賃金は据え置き

(2009年9月24日)

 高崎信用金庫は、市内348社に対して「世界同時不況下における雇用戦略」について調査を行った。正規社員、非正規社員の雇用形態は現状を維持するが、賃金は据え置き。社会保険料や税などの軽減を求めていることが浮き彫りとなった。

 雇用については、「変えない」とする回答が正規社員が79・9%、非正規社員は45・1%と、業種にかかわらず現状を維持しようとする考え方が最も多かった。正規、非正規とも増やしたい、あるいは減らしたいとする企業が、それぞれ、全体の約1割あった。約3割の企業は、非正規雇用をせず、正規社員だけの雇用形態をとっている。

 賃金は「据え置き」が72・3%で、「引き上げ」は1割弱の9・4%。「引き下げ」は16・8%で「引き上げ」を上回った。非正規社員に対しては据え置きが51・3%。賃金引き上げを考えているのは2・9%の企業にとどまり、引き下げは8・3%となっている。雇用は維持するが、賃金は据え置きと多くの企業が考えている。

 非正規雇用の従業者に対しては、減員しないが賃金の引き上げも考えていないという状況だ。

 一人あたりの労働時間を短縮して、一定数の従業者数を維持するワークシェアリングが不況下の雇用対策として、声高に言われているが、市内企業の関心は極めて薄い。約8割の企業が導入を考えていない。ワークシェアリングによって雇用が維持できると考えているのは、全体の1割。導入に対して、業種別では製造業の18・7%が最も高く、卸売業11・5%、サービス業10・5%、建設業7・2%、小売業2・7%となっている。

 中小企業が雇用を維持していくために必要な行政面での取り組みに対しては、「社会保険料負担の軽減」が55・5%と最も多かった。半数の企業が、従業者と保険料を折半する社会保険負担を重くとらえている。「各種税制の優遇」を求める回答は49・9%で、税金よりも、社会保険料の負担感のほうが大きい結果となった。厚生年金の保険料率は、平成二十九年まで、毎年0・354%引き上げられて18・3%となり負担額は拡大していく。

 企業が必要としている人材の能力面では、「営業力」の回答が48・9%、「経営・管理能力」27・4%、「コミュニケーション能力」26・5%で、売上や受注の拡大を求めていることが示された。「パソコンを使える」、「事務能力」は低位となった。

社会保険料に企業が負担感/雇用は現状維持・賃金は据え置き

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