民間産廃計画に地元反発・十文字町/上奥平はあらためて住民協議を

(2009年9月10日)

民間産廃計画に地元反発・十文字町/上奥平はあらためて住民協議を十文字町の水源に産廃反対ののぼり旗

 高崎市は、高崎市議会一般質問で、吉井町上奥平と榛名地域の十文字町の民間産業廃棄物処分場計画について、山田行雄議員の質問に答え、考えを示した。

 民間の産廃処分場設置については、法に定められた基準に適合していれば、県は申請者に設置を許可することになる。そのため事前の地元協議、意見聴取により住民の合意形成をはかることが重要となる。

 吉井町上奥平の民間産廃処分場計画については、合併直前の五月末、高崎市に何の連絡も無しに吉井町長から群馬県に意見書が出されたことで問題となった。この意見書は、産廃設置許可に関わる地元住民との事前協議にあたる。意見書の提出により、地元協議は完了したと受け止めることもでき、波紋を呼んだ。

 市が県と協議した結果、県は、吉井町長による意見書を内容不十分とし、あらためて高崎市長に意見書を求める方針を示している。市では、上奥平地区と同地域を流れる雁行川流域の寺尾町住民から意見を聞き、本市の考えをまとめる。現在、市は意見聴取の調整を地元と進めている。上奥平の産廃施設は計画が持ち上がった昭和六十年当時の基準で協議が進められ、現行と内容が違っていることも問題点となっている。

 榛名地域では十文字町新の沢地区の民間産廃処分場計画に、地元が強く反対している。埋め立て面積は7万平方キロ、埋め立て容量は約138万立方メートルで、高崎市の最終処分場エコパーク榛名(容積20万3200立方メートル)の約7倍の規模。

 計画地内には土石流危険渓流指定地が存在するが、施設建設は制限されないと言う。計画地の周辺環境では、近くに頭無川が流れ、高浜浄水場が取水する高浜第二、第三水源が近接している。高浜浄水場は九百二十戸、二千四百人に給水しており、水源への影響が懸念されている。地域内では新たな水源を確保したと流言されているが、市水道局は国の認可を得るためには、水質基準をクリアし安定水量の確保が必要で、水源移動は安易にできるものではないと示している。

 産廃計画に対し、水道局は、水源の品質保持を責務とするが具体的な措置を講じられないため、水質汚濁防止法などで対処する方針。産廃施設について意見を求められた場合は、「水源の清潔保持機能を低下させる可能性が高い施設」と回答する考えだ。

 市は、奥平地区と同様に、地元の意見を聞き、本市の意見をまとめていく。

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