自民小渕氏・福田氏が議席守る
（2009年8月31日）
「本当に心配をかけた」と福田氏
比例当選の民主三宅氏・中島氏
民主三宅氏・中島氏比例当選
三十日の衆院選で四区福田氏、五区小渕氏が議席を守った。民主は四区で三宅氏、中島氏が比例当選を果たした。
福田陣営「きわどい勝利だった」
激戦となった四区議席を福田康夫前首相が守った。前首相が地元に張り付き、選挙を戦ったのは初当選以来、今回がほぼ初めて。
夕刻から緑町の福田事務所に支援者が詰めかけた。民主党圧勝ムードの中、自民党候補が各地で苦戦、県内でも民主党候補に自民党候補が敗れていることが伝わると、事務所は緊張した雰囲気に包まれた。支持者は焦燥感をつのらせ、心配そうな面持ちで、開票結果を待った。
福田当確の報道が入ると、会場は歓声に包まれた。
選対本部の原浩一郎事務長は「ひやひやしたが、皆さんと心から当選を祝いたい。大変な逆風の中の選挙で、二倍、三倍の苦労をかけた。心から御礼を申し上げたい」。川田貢後援会長「長い時間肝を冷やし、こんな恐ろしい時間を過ごしたことは過去なかった。こんなにうれしいと思ったことはなかった」、関根圀男選対本部長「本当に厳しい戦いだった。総力を挙げて逆風を吹き飛ばすことができた。福田選対の底力を発揮できた」と安堵と喜びのあいさつをした。
福田前首相は、当選だるまに目を入れ、「本当に心配をかけて申し訳なかった。それだけに皆さんも喜んで下さった。今度の選挙は汗と涙の選挙だった。皆様の期待に応えられないと考えた瞬間もある。きわどい選挙だった。何しろ相手が見えず苦労をかけて申し訳なかった。心から御礼申し上げます。この勝利は貴重な勝利だ。利根西は守った。これから我々も挽回しなければいけないと思う。反省すべきところはたくさんある。より良い党をつくり、この地域のためにがんばっていきたいと思う。今日はうれしくて言葉がない。本当にありがとうございました」と支持者にこたえた。福田氏は、夫人とともに支持者に囲まれ「ありがとう」と握手をかわした。
登壇した各氏から祝勝の言葉
加藤修一参議「最後の最後まで懸命なご支援をいただき、公明にも力をいただいた」。
松浦市長「群馬の良識、四区の良識、高崎の良識が勝った」。
新井利明藤岡市長「本当に胃の痛くなる思いだった。おめでとうございます」。
大沢知事「皆様の力で勝利できた」。
中島篤副選対本部長「皆様に心配をさせてしまったが、皆様に本気になって戦っていただいた」。
福重隆浩県議「苦しい戦いだったからこそ、喜びも百倍、千倍」。
清水一郎市議「福田会の底力が発揮でき、こんなにうれしいことはない」。
三宅陣営／三宅氏・中島氏が比例区で当選
三宅雪子氏は、当初出馬を予定していた中島政希氏から地盤を譲り受け七月末に立候補を表明。三宅氏は中島氏が敬う石田博英氏の孫でもある。三宅氏は連合の支援も受けながら「真夏の雪子が政治を変える」をキャッチフレーズに追い風に乗って選挙戦を展開し、福田陣営を脅かした。小選挙区では福田氏に追いつけなかったが比例で復活当選し、比例区候補の中島政希氏とダブル当選を果たした。長く中島氏を支援してきた盟友らは「今回は勝利を確信していた」と涙にむせんだ。
三宅氏は「弱者のための政治、生活者のための政治をせいいっぱいやりたい。世の中を直したい」と抱負を語った。
中島氏は「落選のあいさつは何度もしているが、勝った時は何と話していいかわからない」と支持者に笑顔で語りかけた。
中島氏は「皆様の力で、本日まで来られた。私の政治生活は挑戦と挫折の連続だった。今回も福田氏に対抗して出ると決めた時は、勝てないだろうが、日本のために自分がやらなければならないと出馬を決意した。この間の経緯の中で三宅さんが候補になり挑戦をされ、運命を感じた。今朝、石田博英先生の遺影を持ってきた。もし、当選できるようなことがあれば、孫の雪子の選挙を一生懸命やってくれたから、お前も当選させてやるよと、石田先生がご褒美をくださったのではないかと、家内と話していた。
群馬で政治活動を始めて、民主党を作ってから、長い年月になる。選対の坂本君に、僕が当選すると思って手伝っているのかと聞いたら、そんなことは考えたことがないと言う。私が二大政党制を確立するのだとか、鳩山政権を作るのだと言っても、あまり信じてはいただけなかったと思う。中島がそうした理念に殉じようと孤立無援で戦う姿を見て、放っておけないと私とともに戦って頂けたのだと思っている。
群馬と日本に新しい政治の流れを作ることが、私の長い政治生活の挑戦だった。皆さんのご支援のおかげで、長い戦いを成功物語として完結させることができた。深く御礼を申し上げます」とこれまでを振り返った。
三宅氏は「私がここまで票を伸ばせたのも、中島さんの力があったから。普通なら一カ月でここまで準備できなかったと思う。寝る間も惜しんで私のために選挙活動を手伝ってくれた。中島さんがこの選挙区を守り、私に譲っていただいた。当選を鳩山代表も喜んでいるのではないかと思う。これからも力を貸してほしい」と讃え合った。
坂本正樹後援会長は「一年前までは、こうした結果になるとは考えていなかった。戦わなければならない戦いがあるから戦っていた。皆さん、ありがとうございました」と支援者に礼を述べた。
