自助・共助・公助の連携で被害を最小限に

(2009年8月3日)

自助・共助・公助の連携で被害を最小限に800人が参加した観察会

防災計画説明会

 高崎市は新しい「高崎市地域防災計画」と河川沿いの浸水予想区域を示した「高崎市洪水ハザードマップ」を作成。七月一日の広報高崎と併せて全戸配布し、七月に市内十カ所で地域説明会を行った。

 高崎市は、合併による市域の拡大や、本市周辺に関東平野北西縁断層帯が存在していることから、新たな防災対策が必要と考え、今年三月に新たな地域防災計画を策定した。地域説明会では、新しい防災計画と大地震発生時の揺れやすさマップ、洪水ハザードマップを資料に、防災意識の啓蒙と災害対策について説明した。

 災害対策では、国・県・市が市民を守る「公助」、地域や自主防災組織が協力してお互いを守る「共助」、自らを災害から守る「自助」を三本柱に、連携の大切さが訴えられた。大規模災害では、行政が全てに対処できるとは限らず、共助、自助の重要性が指摘されている。阪神淡路大震災で倒壊した建物から救助された人の九割が家族や近隣の人が救助したと言われており、高崎市でも町内ごとの自主防災組織の結成が進められている。現在178組織が立ち上げられ、結成率は43%。平成二十四年までに二百団体を目標にしている。自主防災組織は防災資機材の購入や訓練に市補助制度が活用できる。  食料は12万食を目標に市は備蓄を進めている。各家庭でも三日分の食料備蓄を求めている。

 洪水ハザードマップは、大雨により市内を流れる利根川、烏川、碓氷川、井野川、榛名白川、鏑川、神流川の堤防が決壊したときに予想されるはん濫の範囲と浸水の深さを避難場所とともに示したもの。大雨を想定し、国や県が公表した浸水想定区域図をもとに浸水の規模を地図上に表した。非難の方向なども例示されており、水害への備えや洪水が発生したときに役立ててもらう。未策定の吉井地域は県の浸水想定作業を待ち制作する。

 近年では、台風の大型化やゲリラ豪雨によって災害が増加し、こうした傾向は今後深刻化することも考えられている。平成十九年の台風九号では高崎市内でも被害が発生している。上流域での集中豪雨による鉄砲水、短時間で局所的な豪雨の場合、ピンポイントの予測は困難で、警報が災害発生に間に合わないケースもある。

 参加者からは、地域防災組織の結成や災害時の情報伝達など活発に意見が出された。大雨時の浸水や道路冠水など身近な不安も訴えられた。高崎市では「災害に備えるハード整備は時間がかかり、災害は待ってくれない。自助・共助・公助の連携で被害を最小限に抑えることができる。説明会を通じて市民の防災意識の高さを感じた。地域の実情にあわせた対策を進めていきたい」と話している。

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