中央公民館の利用者が減少
(2009年7月24日)
利用者の細分化や駐車場問題など影響
高崎市中央公民館は、市内四十三公民館の平成二十年度事業報告をまとめた。二十年度の全公民館の利用者数は98万2千人で、百万人を突破した十九年度よりも3万人減少した。
二十年度の公民館事業は、二十年度の公民館事業は四十三館合計で3501回、参加者は11万9852人。十九年度は3627回で12万4561人。二十年度の団体利用状況は、5万6439回で77万6730人。十九年度は5万7477回で79万9394人。図書活動は二十年度が貸出回数4503回、貸出冊数9万7351冊、利用人数5万5882人。十九年度は貸出回数4540回、貸出冊数10万3567冊、利用人数6万741人。
主催事業、団体利用、図書活動とも十九年度よりも減少した。
高崎地域の減少は、十九年度に一館が選挙の投票所であったため、選挙事務の影響で利用者数が突出し、二十年度は例年の利用者数に戻った。
図書活動では、児童が下校時に寄り道しないよう指導が行われ、公民館図書室に立ち寄る子どもが減少した。
公民館事業費等は毎年同額が措置されており、予算の削減は行われていない。市教委では、公民館主催事業の利用者数の増減は、年度の変動幅の範囲内で、各館とも稼働率は高い水準を維持しており、市民の生涯学習意欲の低下はないと考えている。地域公民館は、市民の生涯学習活動やまちづくりの拠点としての機能を果たし、大きな問題点はないと考えているが、中央公民館は駐車場や施設面での課題が現れている。
中央公民館の利用者減少は、文化センター第二駐車場の閉鎖問題の影響で、定期利用団体や市関係の団体が群馬地域に移動した影響も受けている。また、利用団体の細分化が進み、一回当たりの参加人数が減少していることも考えられるという。
中央公民館の年間利用者数が毎年減少傾向にある。平成十七年度は、団体利用が5216回で11万7570人。二十年度は4296回で10万人を下回り9万3438人。年間920回、2万4千人の利用が減り、慢性的な駐車場問題で利用が敬遠されている様子もうかがえる。敷地内駐車場は、図書館利用者を優先し、公民館利用者は、第二駐車場を使う。
琴サークルなどは、楽器を降ろして車を第二駐車場まで移動。活動が終わるとまた車を取りに行ってと、不便な様子が見られるそうだ。
中央公民館では第二駐車場からの歩道橋や徒歩は高齢者に敬遠されているのではないかと心配している。また中央公民館の建物は、高崎女子高の旧校舎を利用しているため、人気のあるダンスや音楽などのサークルが使いにくい。逆に新しくできた北公民館などは、駐車場も広く設備も最新で、ダンスサークルの利用が集中してきているという。中央館の役割が機能しないと、人気のある地区公民館では、地区住民は数人だけで実際は他地域からの参加者が多数というサークル形態を助長しかねない。
図書館移転で中央公民館建て替えの検討が始まるが、近隣の本町市営住宅・女性フォーラム跡地の一体的活用の方向も示唆されている。中央公民館建て替えは、第五次総合計画に盛り込まれていないが、市民の大きな期待を担う施設として注目されそうだ。