仲間が生きる原動力
(2009年7月15日)
薬物乱用防止をテーマにパネルディスカッション
社会を明るくする運動市民大会
第五十九回高崎市社会を明るくする運動市民大会が七日にシティギャラリーコアホールで行われた。この大会は、犯罪や非行の防止と犯罪を犯した人の更正について理解を深め、明るい社会を築くのが目的で、主唱は法務省と高崎市実行委員会。今年は、犯罪を犯した人の立ち直りを支えよう、犯罪や非行に陥らないように地域社会で支えようなど目標に掲げた。
松浦市長は「青少年の健全育成と明るい社会づくりのため市民とともに考え、誰もが夢と希望を持てる高崎市を築いていきたい」とあいさつ。高崎市議会の田中治男議長は「青少年犯罪が凶悪化している。家庭、学校、地域が一体となって取り組むことが必要だ」と祝辞を述べた。
前橋保護観察所の竹内政昭所長は「犯罪の三割が再犯。再犯防止が喫緊の課題で、それぞれの立場で力をあわせていこう」、高崎警察署の糸井義一署長は高崎管内の犯罪状況を説明し「管内の治安はけっして良いとは言えない。事件事故がなくなるよう全力で努力したい」と話した。
高崎保護区保護司会の神津一行会長が、青少年をとりまく社会環境の浄化に努力しようなどをうたった大会宣言を朗読し、参加者の賛同を得て採択した。
薬物乱用防止をテーマにしたパネルディスカッションでは、県内の薬物依存者のサポート施設で立ち直るメンバーらが登壇し、経験を語った。久保田さんは覚醒剤での幻覚や逮捕された時の様子などを話しながら「自分の好きなように生き、責任は周りの人にとらせていた。心を開くのが怖かった。今は友だちが命綱としてぼくを支えてくれる。犯罪者だという気持ちを皆さんにもリセットしてほしい」と話した。また八郎さんは「十代で暴走族に入り覚醒剤に出会った。覚醒剤を買うためにバイクを盗み売っていた。薬と酒で体も魂も壊れてしまった。命よりも覚醒剤を選んでしまい、薬と酒にとらわれた生き方だったが、今は仲間が生きる原動力になっている」と依存から回復するための生活の様子を語った。司会からは「薬物は身近な問題と感じられないかもしれないが、まん延しないように対策していくことが最も大事だ」と問題提起があり、参加者は熱心に聴講した。
大会後、参加者全員で音楽センター前からパレードを行い、明るい社会づくりを通行者に訴えた。