中央公民館建て替えの検討始める
(2009年7月6日)
高崎女子高の旧校舎を使い築約50年が経過した中央公民館建物
現在地での新築が有力
高崎市は、市議会六月定例会で松本賢一議員の質問に答え、本市の公民館施設の課題について考えを示した。
四月に高崎市社会教育委員会議(田口三舩議長)から教育委員会に今後の公民館施設の課題について意見が提出されたことに関連し、今後の公民館施設の課題について松本議員が市の考えをただした。この提言の中で、合併後の一校区一公民館の推進、公民館長の常勤化、中央公民館の建て替えが課題として述べられている。
中央公民館は、昭和三十五年に建てられた高崎女子高の旧校舎をそのまま使用している。老朽化と公民館に必要な機能を十分に備えていないことがこれまでも指摘されてきた。中央公民館に併設されている図書館が、平成二十三年度に医療センターとの複合施設として城趾地区に移転することから、高崎市は、中央公民館の建て替えについて検討を始める考えを示した。提言では移転せず、現在地に新中央公民館を建て替える方針で、世代間交流が行えるオープンスペース、生涯学習の発表の場、食育の場などの機能を充実するよう求められており、市教委では、この方向で建て替えを検討する考え。
中央公民館だけでなく、他にも建設年度が昭和三十年代2館、四十年代8館、五十年代21館と、老朽化により、建て替えや改修が必要となっている。
高崎市の公民館施策の大きな特徴である「一小学校区一公民館」制度は、原則として合併後の全市域で推進していく。これまで高崎地域では各校区に三十二館が整備され、社会教育分野だけでなく、まちづくり拠点としての役割も担い、大きな実績を上げてきている。榛名地域では、集会施設として予定されていたコミュニティセンターを公民館として計画変更するよう要望があるなど、住民意識の高まりも生まれている。
高崎市の公民館には、全て調理室と図書室が整備されているのが大きな特徴だ。一校区一公民館制度の主旨通りに設置した場合、倉渕2館、箕郷2館、群馬1館、新町1館、榛名6館の12館を新設する必要がある。各校区の人口差が大きく、新設の事業効果に開きがある。また吉井地域には三十を超える町内集会施設があるなど、これまでの経緯や地域事情も多様だ。児童数の少ない地域は複数の校区に一館を設置するなどし、建設費、維持費を抑える必要がある。
現在非常勤となっている公民館長の常勤化は望ましいものの、人材の確保や人件費が四倍以上になることもあり、財政面での課題が示された。