音楽センターは「全国のモデル」
(2009年7月2日)
講師は鈴木滉二郎教授
公開講座で指摘
「芸術文化ホールを考える公開講座」が6月26日に群馬音楽センター会議室で行われた。この講座は昨年度に四回開催され、市民の関心も高かった。今年度は二回の連続講座が計画され、この日はその一回目。講師は静岡文化芸術大学の鈴木滉二郎教授で演題は「都市と市民と公共ホール」。鈴木教授は東京都生活文化局、東京文化会館副館長など歴任。
鈴木教授は、劇場やホールが形成される歴史を、古代から現代に至る日欧の文化史の中で位置づけ「市民が自らの文化拠点として切実に求めた時に初めて、芸術ホールが公共財として成立する」と説明。日本国内では、高崎市の群馬音楽センターだけが市民の創造的活動で誕生したことを述べた。群馬交響楽団や井上房一郎氏など高崎には市民主体の特徴的な芸術文化活動があった。市民文化の形成が希薄な日本の近代社会の中で、音楽センターは全国のホール建設のモデルとなるべきであったと強調した。
また自治体が文化ホールの建設を起債で行い、その償還は交付税でまかなえたことがハコモノ行政を助長したことなど行政システムの問題点なども指摘した。