六月から新たな景観届出制度

(2009年5月22日)

 高崎市は、地域の特色を生かした高崎らしい景観形成をめざし、六月一日以降の建築、開発行為について、新たな景観届出制度を設けた。

 高崎市は、魅力ある景観を保全、創造するため、景観への取り組みを進めてきた。景観形成は、暮らしやすいまちづくりのために市民の関心も高まっている。高崎市では、景観法、高崎市景観計画、高崎市景観条例に基づき、市内各地区の特性や用途地域に応じた景観形成基準を設け、高崎らしいまちなみを誘導する。景観への影響が大きい一定規模以上の建築行為等を行う場合は、市の基準に適合するような設計を行い、事前に届出を行う。

 田園地域では、山並みなど自然景観への眺望や周囲と調和するように配慮すること、商業地域では、まちなみとの調和や歩行者空間への工夫などを求めるなど、景観形成への意識を高めてもらうのが大きなねらい。外壁などについては、色彩ガイドラインを設け、彩度に配慮する。届け出の際に指導助言し、良好な景観形成を誘導する。

 これまでも、高崎市独自の条例にもとづく届け出は行われていたが罰則はなかった。六月一日の制度変更は、景観法、条例、景観計画の三者が一体となったもので、法による罰則規定を伴うようになった。五月中の届け出であっても六月一日以降の着工分は適用されている。規制内容は、景観形成、保全のため調和を重視したもので、色彩ガイドラインは、今後市民の意見を聞きながら、数値的な表現を加えていく。

 まちのにぎわいを創出するため、自由なデザイン、色彩表現が必要だ。運用面では、建築物の施主や設計者の意図を尊重することが重要で「意匠的な個性や競争がなければ、つまらないまちになってしまう。景観は市民や企業が創造するもの」と、市では考えている。基準をわかりやすく明確にすることで、景観を誘導しながら個性的なまちなみを創出していく。

 景観保全について必要性や住民の盛り上がりがあれば、重点地区を指定してくこともできる。新しい制度を盛り込んだ景観計画は、都市整備部景観担当で閲覧できる。市役所一階市民コーナーで一冊千円で頒布。まちづくりの指針として市民に活用してもらえるものと市では期待している。

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