市民の輝きをテーマに
(2009年5月15日)
新屋真和さん
「クリスタルブーケ」制作者の新屋さんに聞く
高崎花路花通りのメインオブジェとして八島町イノウエビル前に展示されている「クリスタルブーケ」の制作コンセプトについて、作者の空間デザイナー新屋真和(しんや・まさかず)さんに聞いた。新屋さんは太田市在住。これまで東京台場や横浜赤レンガ倉庫でのフラワーパフォーマンスを手がけ、昨年の全国都市緑化ぐんまフェア高崎会場の「高崎花路花通りフォーラム」のパネラーをつとめた。
談:昨年の全国都市緑化ぐんまフェア高崎会場を引き継ぎ、高崎市民のパワーを表現したかった。高崎の魅力を表現する「輝き」をテーマに作り上げた。高崎のまちを訪れた来街者に市民からの贈り物、大きな花束をつくろうと考えた。両端はリボンのように広がり、まちなか全体へ連続させている。幅3m、長さ23m、クリスタルの花びんは四十四本、3万3千鉢の花を使った。
まちなかで開催するためには、市民が団結しないと実現しない。高崎の市民、まちには大きなパワーと可能性、やさしさを感じる。
他のまちではやれないこと、高崎のまちなかで、こんなことができるのかというものやってみよう。まちなかという制約があったから、リズムやデザインが生まれた。ここでしかできないパフォーマンスだと思う。高崎のまちなかに大きな作品を制作するのは、初めての試みで大きな賭けでもあり、市民に受け入れられるのか、きっと賛否があるだろう。
年輩の方は自分で花や緑を育てたり、親しむ機会も多い。花路花通りは、若い人も花に近づくきっかけになればいい。すさんだ心も花がいやしてくれる。夜間は光と音の演出でエンターテイメント性を高め、花に対する新しいアプローチもあわせて提案した。
普段、ここは、せわしなく歩く道。花路花通りにゆったりと流れる時間を表現した。少し立ち止まって、ゆっくりと変化する音楽とイルミネーションを楽しみながら、急ぎすぎる自分の時間をゆっくり動かしてみてはいかがでしょう。
駅方向に並ぶ四角錐は花畑に並ぶ「いちご」。おとなも子どもも無邪気な笑顔になれる場所として、「チャイルドフェイス」を全体テーマにデザインした。
車道からは花壇の背面しか見えないようになっている。ぜひ車を降りて、高崎のまちを歩いてほしい。(編集部まとめ)