高崎病院が体制整備
(2009年5月11日)
玄関には専用の診察場所を案内するポスターを掲示
新型インフルエンザ
国立病院機構高崎病院は、高崎を中心とした医療圏内での新型インフルエンザ発生に備え、四月末に体制づくりを行った。四月以降、新型インフルエンザが大きな問題となったことから、準備を急いだ。
新型インフルエンザ対策については群馬県の主導で行われているが、五月の連休前の時点では、発熱外来をどの医療機関に設置するか具体的に決まっていなかった。高崎病院は、圏内中核医療機関として、「患者がいつ来るかわからない。受け入れ体制をきちんと整備する必要があった。病院としてやるべきことはやっておくべきだ」と判断した。現在、県では、新型インフルエンザの発熱外来を地域医療圏ごとに整備している。県・保健福祉事務所が相談窓口となり、患者と医療機関を仲介するしくみになっている。患者が集中しないよう、医療機関名は公表しない方針だが、保健所に相談しないまま、直接医療機関を訪れるケースも想定される。
現在のところ国内での症例はなく、発熱患者などの診察拒否等の過剰反応や「疑い」が出た場合の風評被害も高崎病院では、懸念している。
群馬県内において、高崎は東京、首都圏の玄関なので最も入ってきやすい場所となる。現段階における可能性としては、発生国から帰国・入国し、新型インフルエンザの疑いが出た人が高崎にいた場合。
高崎病院では、他の患者と接触しない場所に診察所を設け、陰圧テント(内部圧が外より低く病原体がテント外に出ることを防止するもの)内で診断する。医師も防護服を着用する。隔離や入院等が必要な場合に備え、専用に二床確保している。
新型インフルエンザは、空港などでの検疫で、国内への拡大を防いでいる。現在の体制は、国内での感染がない段階のもの。高崎病院では、流行のレベルに応じた対応を考えている。まん延した場合は病床を確保するため、入院病棟を再配置しなければならないという。県、高崎市と連携し対応をしていく。