地域単位で福祉基盤を整備
(2009年4月6日)
高崎市と社協が福祉計画を策定
高崎市と高崎市社会福祉協議会は、地域福祉計画と地域単位での福祉を重点にした活動計画を策定した。第五次総合計画に基づき、地域福祉の理念と目標を示した。
地域福祉計画は、高崎市の行政施策を定めるとともに、市民が福祉の担い手となり、地域の福祉課題を探り、解決していく主体となることが重視されている。少子化高齢化、都市化、核家族化によって家庭や地域社会が持っていた相互扶助機能が弱まりつつある。社会構造の変化、雇用環境の悪化で、高齢者や障害者、生活支援を要する人の生活は一層厳しいものとなっている。また自殺、ホームレス、家庭内暴力、虐待、ひきこもりといった新たな社会問題も増加している。このような状況の中で、地域住民の主体的な助け合いの意義はますます大きくなっている。
同計画は、①ふれあいとやさしさでつつむ高崎市、②みんなでひろげよう福祉の輪、③安心・安全は気配り目配り思いやりから、④育てよう伝えようきれいな心-を目標に掲げている。
地域福祉では、全ての人が生きがいを感じて生活できるよう、思いやり助け合いの意識づくり、空き家・空き店舗を活用した交流の場づくり、地域住民交流の活発化や各種団体との協働、福祉サービスをコーディネイトする仕組みづくりに取り組む。
福祉の輪を地域に広げるため、住民一人ひとりに地域の現状や課題を認識してもらう。ボランティア活動への積極的な参加を促進し、公益活動の環境整備を行う。
安心安全な地域を実現するためには、地域の絆が不可欠。地域での防災訓練、地域安全パトロール活動を支援するとともに、地域住民の日常的な交流の活性化に取り組む。災害時に自力で安全確保・情報把握が困難な人への支援体制を検討する。
日頃のあいさつ、一声かけ運動による住民間・世代間交流を通じて相互の信頼を深め、モラル、マナーの向上につとめていく。家庭、地域、学校、企業、社会福祉協議会、団体が協力し、社会教育力の向上に取り組む。
住民座談会では、住民同士のつながりが薄れ交流があまりない。町内に顔も名前も知らない人がいる。独り暮らしの高齢者が増加し、買い物や通院に困っている。ごみのルールを守らない人、ポイ捨てをする人がいる。子どもが少なく育成会への参加者が減少。地域活動に若い層が参加せずメンバーが固定化している-などの課題が参加者から指摘された。
地域の福祉活動では、相談されてもどうしたらいいのかわからない。誰も協力してくれない。災害など緊急時の連携がとれない恐れがある。活動の担い手が不足している-などの課題を抱えている。実施計画では、地域課題の共有化、交流の場づくり、社会福祉協議会による専門家の育成や地域活動を重点に基盤整備を進めていく。また、ソーシャルワーカーや支援員によるたすけあい支援センター制度を研究し、モデル事業を実施していく。