多胡碑をテーマに講演会/高崎・吉井合併で多胡郡が再び
(2009年3月13日)
平成二十三年の多胡郡設立千三百年に向けた連続講演会が吉井町で始まった。主催はNPO日本民俗経済学会(上中居町)で、吉井町の多胡郡建郡千三百年記念祭の協力事業。第一回目の講演会が、国特別史跡・多胡碑の一般公開にあわせ八日に多胡碑記念館で開催された。
多胡碑は奈良朝廷が「多胡郡」を設置したことを記した石碑。和銅四年(711)三月九日に片岡郡山等(山奈・やまな)、緑野郡(みどの)武美(むみ)、甘良郡(かんら/から)織裳(おりも)、韓級(からしな)、矢田(やた)、大家(おおやけ)の六郷三百戸が多胡郡となった。吉井インターから高崎市山名町に至るエリア。今年の六月一日に高崎市と吉井町が合併し、多胡碑に記された多胡郡が、高崎市の中で再現されることになる。
この日は久保信太郎・元多胡碑記念館長が「多胡碑の里・原風景」をテーマに講演。高崎市からの参加者も多く、定員を超える百人の受講者で盛況となった。久保さんは、吉井町では、昔は小学生が多胡碑文を暗誦していたことや、多胡碑周辺の自然などを紹介。碑文を解説しながら、渡来人や羊太夫について語り、多胡碑のすばらしさについて講演した。
多胡碑千三百年祭実行委員長の神保侑史さんは「地域の住民が大切してきたから多胡碑がこれまで守られてきた。多胡碑がなぜ大切なのか知らない県民もたくさんいる。私達の手で守り伝えていきたい」とあいさつ。日本民俗経済学会は。今年五回の講演会を開催し、平成二十三年まで継続する予定。次回は四月九日(木)午後二時辛科神社(吉井町大字神保甲435)。講師は神保侑史さん(同神社宮司・元県埋蔵文化財調査事業団局長)。問い合わせは同学会 TEL: 325・6661。