「食の駅」の行政代執行を準備
(2009年3月12日)
封鎖工事と警備費を予算計上
高崎市は、都市計画法・建築基準法違反として、棟高町の「食の駅ぐんま高崎店」を経営するファームドゥ株式会社に対し、是正命令を行ってきたが、同社に命令遵守の意志が見られないとし、行政代執行を行う考えを十二日の高崎市議会建設水道常任委員会で示した。
平成二十一年度予算に敷地建物を封鎖するための費用858万円と、警備費3433万円を計上した。
「食の駅ぐんま高崎店」は、調整区域内に物販面積が50㎡以下のドライブインとして平成十八年に開発許可を受けたが、開店時に販売に使用している面積が50㎡をはるかに超過し、スーパーと類似した形態になっている。
高崎市は、開店以降、許可を受けた形態に施設を変更するよう指導し、昨年六月二十日に是正命令書、八月二十九日に催告書を出したが是正がないため、九月十七日に再び建築物使用停止命令を行った。
主張は平行線で、ファームドゥは開発審査会、建築審査会に審査請求を行い、また高崎市に賠償請求を求める訴訟を起こしている。
食の駅で販売される農産物が、地産地消や農業振興に関係することから、高崎市の対応が生産者の反発を招いたが、今回の問題は、あくまで都市計画法・建築基準法違反で論点が異なっている。
高崎市はこれまでも行政代執行を辞さない姿勢を示してきたが、「このまま違反を放置することはできず、違反解消の措置をとらざるをえない」とあらためて立場を明確にした。
市は、代執行で建物の使用を停止させるため、敷地建物の出入り口を封鎖する。会社側の妨害や小競り合いが予想されることや、封鎖後も警備が必要なことから費用を見込んだ。
開発審査会、建築審査会の裁決や裁判の動向を見ながら、代執行の手続きに入るタイミングをはかると言う。