業況の回復「見通しは立たない」/たかしん調査
(2009年3月3日)
高崎信用金庫は、取引先三百四十七社に平成二十一年の経営見通しについて調査した。
サブプライムローンに端を発した百年に一度と言われる世界的な金融危機の影響は、世界同時株安や信用収縮で実体経済に波及し、世界同時不況の様相が急激に拡大。企業業績を圧迫している。企業収益の急激な悪化が雇用調整に発展し、消費者心理が低下し個人消費を下押ししている。景気後退局面は長期化し、市内企業の業況見通しも悪化。回復の見通しは立たない、上向くのは一年から二年後とする見方が強い。
平成二十一年の日本の景気見通しは、「悪い」が95・7%。この中で「非常に悪い」が22・3%で近年では、最悪値となった
今年の各企業の業況も「悪い」とする見方が80・4%で、前年よりも28・3%上昇した。売上は「増加」が13・9%、「変わらない」が21・6%でそれぞれ昨年の約半数となっている。「減少」が64・5%で昨年の倍となった。
自社の景気が上向く転換点は、「改善の見通しなし」24・9%、1年後21・4%、2年後18・8%、3年後10・1%、3年越え11・6%。6カ月以内は5・5%で、業況回復には、長期間かかると考えている。
業種別では、製造業、建設業は悲観的な見通しが特に強い。サービス業は、明るい見通しを持っている企業が多い傾向にある。売上増を見込む企業は卸売業が最も多く、21%あった。
重点的に取り組むべき政策課題は、事業・産業支援による景気対策、中小企業対策の充実が強く望まれた。