カッパピア跡地 公園化の検討案まとまる
(2009年2月19日)
閉園後、廃墟化していた頃のカッパピア
四季の自然を満喫するネイチャーフィールド
高崎市は、十六日の緑化審議会(寺口優会長)にカッパピア跡地の再整備計画について報告した。十九年十月から再整備検討委員会で検討し、同委員会は二十年十二月に最終報告を松浦市長に答申した。
高崎市は、カッパピア跡地を「観音山公園」とし観音山丘陵の核施設として位置づける。カッパピアとして造成された地形を残し、周辺の自然環境を生かした整備を行う。子どもからお年寄りまで市民が憩い、自然に触れあえる公園づくりをめざす。
子どもたちが身近に自然を体験し、「観音山丘陵の懐で子どもたちを育み人々が四季の自然を満喫するネイチャーフィールド」をコンセプトにしている。
観音山は、白衣大観音やカッパピアなど長年にわたって市民に親しまれてきた場所。洞窟観音、清水寺、染料植物園などと結び、各施設と連携した魅力づくりをめざす。観音山全体の自然、歴史を守り育てる心を子ども達に継承する。観音山は桜の名所としても市民に親しまれており、跡地公園にも桜の植樹をし、桜の名所としての価値を高めていく。
公園内は十のゾーンで構成され、駐車場ゾーン、管理棟のあるエントランスゾーンのほか、地形等にあわせた八ゾーンが計画されている。桜の広場、紅葉の谷、花畑の広場、ゆうゆうの丘、流れ・水辺、はぐくみの丘、竹林の里、ふれあいの森が示されている。子どもたちが冒険心を持ったり、体を動かして遊ぶ創作遊具も計画されている。市民主体の運営で、自然体験活動を充実させていく。
カッパピアは、昭和二十七年の新日本子ども博跡地の児童遊園地として誕生し、市営を経て、高崎フェアリーランド株式会社が経営。経営悪化で平成十五年十一月に閉園、土地の所有関係も複雑で、廃墟化した跡地問題が市の懸案となっていた。
市は、土地を取得し、カッパピアの構造物を撤去。公園化に向け準備を進めてきた。二十一年度は引き続き用地を買収し、公園の計画設計を行う予定。二十二年度から工事に入る計画だが、単年度での完成は難しく、二、三年はかかると見られている。事業費も二十一年度の実施設計で積算される。過去の例では、平米当たり1万円、用地は約6ヘクタールあり概算は6億円。安全確保のため、園内に残っている構造物基礎やコンクリート擁壁の撤去、造成の必要もある。園路、付帯設備、林道などの具体的な仕様もこれからで、総事業費や竣工年度は現時点では確定されていない。
高崎市は「市民が注目している事業。観光や景観面でも重要な位置づけを持っている。自然を生かした公園として整備し、観音山一帯の魅力づくりを行っていきたい」と話している。