来客を癒すアイドル猫「みいちゃん」
(2009年2月18日)
福猫の「みいちゃん」
田町の電器店で捨て猫が福猫に
田町の電器店「ダイイチストア」社長・高橋充さん(70)が拾った雌猫「みいちゃん」が、通行人らにかわいがられ話題になっている。
一昨年の秋、高崎神社の境内に数匹の子猫が捨てられていた。神社が面倒を見て、もらい手を見つけたが、足にまひが残っているみいちゃんだけは、飼い主がみつからなかった。高橋さんは「みつけられた時は、他の猫にいじめられていたのか、とても衰弱して、神社の人が介抱していた」と話す。愛猫が死んだばかりで悲しさが消えず、猫を飼うのはもうやめようと思っていた高橋さん夫婦だったが、境内で「みいちゃん」と呼ぶと足元に寄ってきて、夫婦に甘える様子に情がわき、引き取ることに決めた。
みいちゃんが家族となってから、高橋さんの息子夫婦が赤ちゃんを授かったり、吉事が続き、福猫の評判が立ち始めた。高崎商工会議所の会報やラジオ高崎で取り上げられ、次々にみいちゃんを訪ねてくる人がやってきた。猫好きの女性、一人暮らしのお年寄り、市外、県外からも猫を見に来る。
「みいちゃんの背中にある三日月模様を撫で、志望校に合格した」と受験生がインターネットのブログに書いたことで、「ツキ」にあやかる高校生もやってくる。テレビの取材も受け、みいちゃんは店の看板娘になった。餌やプレゼントを持参する熱烈ファンも。
撫でたり、抱いたり、店内のソファでお茶を一服したり、みいちゃんファンの来店は一日中途切れない。「猫を撫でるだけの冷やかし客では申し訳ない」と言う人もいるが、高橋さんは、「店に気兼ねしないでかわいがってほしい」と話す。七十歳になったら店を閉めようと思っていた高橋さんだが、みいちゃん効果で顧客も増え、以前にもまして元気いっぱいの様子。みいちゃんのおかげで店を続けることにした。「マンションなど猫を飼いたくて飼えない人もいる。みんなの癒しになってくれればうれしい。まちに来たついでにみいちゃんに会いに立ち寄ってほしい」。
店先の陽だまりがお気に入りの場所だが、商店街へ散歩に出かけてしまうので、会えるかどうかは、みいちゃんの気分次第。店の前の県道は交通量も多く、「散歩中に事故にあわないか。それだけが心配」と言う。高橋さんは「商店街の明るい話題として、活性化につながれば」と話している。