吉井町議会が合併案を可決
(2009年1月13日)
賛否が逆転し8対6に
吉井町議会は十三日の臨時会で高崎市との合併関連五議案を賛成8、反対6で可決した。これにより六月一日の合併に向け最大のヤマを超えた。これまで吉井町議会では合併慎重派が多数を占めており、臨時会では斎藤軍雄町長、町当局、賛成派議員、慎重派議員の討論が4時間半にわたって行われた。裁決は、無記名投票で行われ、賛成8、反対6の結果となった。
吉井町では、住民によって議会解散署名が集められ、否決された場合は解散の本請求が行われることになっていた。高崎市議会は八日に臨時会を開き、吉井町との合併案を既に可決しており、吉井町議会の判断を待つかたちになっていた。
会議の冒頭、斎藤町長は「吉井町では七年にわたり合併議論を行ってきた。町民に溝や亀裂が生まれないことが肝心だ。大所高所から判断してほしい。住民の意思を尊重すれば議会解散もなく、町は丸くおさまる」と可決を求めた。
議員からの質疑では、新市計画の実行見込み、自衛隊基地交付金の用途、水道の安定供給などがただされた。
賛成意見では、「高崎市とのサービス格差は明らか。新たな吉井町の発展、住民サービスの向上が望まれる。民意に沿った判断が大切だ。これ以上の混乱は避けなければならない」。「合併慎重派もまちづくりの気持ちには差異はない。しがらみによる抗争を終息させよう」。「高崎市と吉井町は古代から一体的な地域。スケールメリットで一体的な発展できる」など述べられた。
反対意見では、「合併では周辺部の衰退すると報告されている。吉井町ならではのまちづくりを進め、合併は先送りすべきだ」。「合併協議は急ぎすぎて、吉井町独自の制度が排除されている。慎重派は悪者扱いで議会解散の脅しにあっている」など述べられた。吉井町との合併協議や、高崎市の二度の合併における事務取り扱いの実績が十分に理解されていない様子もあった。
また慎重派から斎藤町長が昨秋、合併が可決されれば辞職すると発言したことについて、辞職の時期を具体的に示すよう求められた。町長は、今回の議案に同件は含まれていないとしながら「発言以降も議会は合併について何も対応せず、議会の解散署名が集められた」と白紙化を示唆。「発言に責任を持ちたい」と言うにとどめた。
傍聴席から満席の住民が推移を見守った。議会運営調整で、開会が予定の午前十時三十分から一時間以上遅れたことに傍聴席はいらだったが、午後四時前に賛成多数を裁決すると安堵の声がもれた。