タウト賞に中曽根元首相
(2008年10月15日)
第三回ブルーノタウト賞が中曽根康弘元首相に贈られ、八日にタウトゆかりの少林山達磨寺で表彰式が行われた。
主催のブルーノ・タウトの会(原浩一郎会長)は、高崎市制百周年の時に、市民の力で高崎の歴史を記録していこうと、浄財を集めてブルーノ・タウトのテレビ番組を製作した。同会は、三年前から故・井上房一郎氏がタウトを支えたことを顕彰し、地域文化支援の功績者をたたえようと賞を創設。表彰式はタウトが高崎を去った十月八日(1936年)にあわせた。
中曽根元首相は、世界平和研究所会長をつとめ、若い世代の国際的な活動を奨励する「中曽根康弘賞」の創設、日の出山荘を地元に寄附し一般公開、文化芸術についてふるさと群馬の支援など多くの功績があり、高崎市民の誇りとなっている。
授賞式には、元首相本人の強い希望で自ら出席する予定だったが、風邪のため息女の渥美美恵子さんが代理として来高した。美恵子さんは「本人が行くと体調を整えていたが、先週から風邪をひき、医師の判断で欠席となり無念の様子だった」と話し、『私を育ててくれたのは上州の大自然と人情。上州魂を心に秘め郷里と日本のために尽くしたい』と元首相からのメッセージを紹介した。
原会長は、「中曽根先生の文化、芸術にわたる幅広い活動に感謝申し上げたい」とあいさつし、元首相の卒寿記念の俳句を紹介した。松浦市長は「中曽根先生は日本の美と文化をこよなく愛されている。新たな世代が継承し文化の薫る品格のある社会を築かなければならない」と祝辞を述べた。
式終了後、美恵子さんは、少林山の広瀬正史住職の案内で、同寺内のタウト資料などを見学した。