ATMで携帯電話の使用禁止に

(2008年8月日)

ATMで携帯電話の使用禁止にATMコーナーには振り込め詐欺防止のポスターやパンフレット

振り込め詐欺防止で高信

 高崎信用金庫は、振り込め詐欺や還付金詐欺が多発していることから、七月二十四日からATMコーナーでの携帯電話を使用禁止にした。

 振り込め詐欺の手口は、携帯電話を使って誘導し、ATM端末から相手口座に入金を指示するケースが多い。高崎信用金庫はこれまでも詐欺の未然防止に努めてきたが、著しい増加のため本支店30カ所、店外7カ所のATMコーナーで携帯電話使用を禁止することを決めた。ポスターを掲示し、利用者に注意を呼びかけている。現在のところ、携帯電話の電波が遮断されているわけではなく、防犯カメラや職員による巡回などで対処しているが、今後、対策の強化も考えている。

 同金庫によれば、振り込め詐欺の発生件数は、平成十七年が7件、十八年が16件、十九年が19件。二十年は六月末現在で25件に及んでいる。最近では、還付金詐欺が増加し、この内の10件となっている。

 発生件数のうち、七割は窓口で声をかけるなど、振り込め詐欺を未然にくい止めている。同金庫では「過去最悪のペースで増加している」と注意を呼びかけている。振り込め詐欺やその手口については、広く周知されているが、「実際に当事者になってみると、冷静さを失っている人が多い。自分だけは詐欺にあっていないと信じ込んでいる」という。

 被害者は高齢者が多い。商売などをしていない個人が、苗字の異なる他人口座に高額を振り込むことは少ない。窓口では、定期預金を解約して振り込みの依頼をされる場合や、ATMコーナーで携帯電話で会話をしながら振り込みの操作をしている場合など、職員がおかしいと感じたら、上司と確認するなどの対応している。振り込め詐欺の被害者は「息子が困っているので、すぐに振り込まないといけない」と動揺している人が大半。職員が「息子さんに、こちらから電話をかけて確認してほしい」と依頼しても「何故振り込んでくれない」と怒り出してしまう。「きちんとした目的の人には失礼だが、声をかけて注意を喚起するしか方法はない」という。

 職員が振り込め詐欺をくい止めることが多くなり、最近では、スーパーや駅など無人のATMコーナーを指定して振り込ませることが多くなっているという。振り込むと、犯人はすぐに口座から現金を引き出してしまう。「携帯電話をATMコーナーで使えないようにしないと防ぎきれない」という。また犯人側から「替わりの者が受け取りに行く」と現金を受け取りに実際に現れる例もある。詐欺の手口は巧妙で、話術も巧み。金融機関が対策を講じても、いたちごっこの状況もある。

 同金庫では「六月の振り込め詐欺救済法施行によって被害が減少していくことを望んでいるが、七月に当金庫の支店で振り込め詐欺を未然に防いだという報告もあった。まだまだ続いている。お客様を守るために、安全面の向上をはかり、根気強く取り組んでいきたい」と話している。

高崎の都市戦略 最新記事

勝ち残る専門店

グラスメイツ
グラスメイツ
メガネ店の店員も買いに来るメガネ専門店
辰巳
辰巳
印傳と陶器の専門店/県外からもお客様
有限会社三洋堂
有限会社三洋堂
パソコン全盛時代に書道のおもしろさを伝える

すべての記事を見る