採血用穿刺器具の使用状況を県が調査
(2008年7月1日)
市内では24施設
医療機関で、微量採血のための穿刺器具(針の周辺部分が使い捨てでないもの)を複数患者に使用していた問題で、群馬県は県内の調査結果をこのほどまとめた。
微量採血用穿刺器具は、主に糖尿病患者の血糖値を測定する際に、指先などに細い針を刺して微量の血液を採取するもので、通常の注射器などとは違った医療器具。今回の不適切な使用とは、針の周辺部分が使い捨て(ディスポーザブルタイプ)でない器具を、針は交換しているものの、複数人に使用していたケース。針の周辺部分が肌に触れるため、前の使用者の血液が付着した場合には、感染の危険が否定できないとされている。県によれば、六月十三日の厚生労働省通知で「我が国では、これまでのところ、調査対象器具を複数人に使用することによる感染症の発生事例の報告は承知していない」とされている。
群馬県は、県内の病院、診療所、介護老人保健施設1806施設のうち、六月二十九日までに1766施設の調査を済ませた。針を交換せずに、複数患者に使用した施設は、県内では無かった。針を交換したが、複数人に使用したのが204施設あった。また自治体による健康教室、健康指導、イベントなどで県内9市町村が複数人に使用していたこともわかった。
使用人数は、多い施設で三千人、少ない施設は数人程度。自治体では健康まつりの行事などで延べ数百人に及ぶ場合もある。高崎市内の施設では、病院9施設、診療所13施設、介護老人施設2施設。高崎市が行っている事業や健康指導等での使用は無かった。
県は、複数人に使用を行った施設に、適切な取り扱いを指導する。また対象患者等の特定に努め、説明や検査、受診を勧奨するなどの相談体制を要請する。高崎保健福祉事務所に相談窓口 TEL: 322・3130。