倉渕の歴史・自然・文化を活用/小栗の里整備事業を推進
(2008年5月30日)
小栗上野介公墓(東善寺)
拠点施設には道の駅機能も
高崎市は、倉渕地域の活性化をはかる「小栗の里」整備事業基本構想をこのほどまとめた。倉渕を終焉の地にした幕末の偉人、小栗上野介史跡の保全と倉渕の魅力を発信する拠点施設を核に置いている。
小栗の里整備事業は、合併により倉渕村から引き継ぎ、同推進委員会(会長・村山元展高経大教授、委員十八人)が地域の意向調査を実施しながら検討した。倉渕地域の活性化のため農業、観光、自然・文化を活用した計画。倉渕地域全体を「小栗の里」と位置づけ、特産品の販売、地域文化の紹介、観光案内など機能を持った拠点施設を整備する。
倉渕地域は、烏川源流の清流、緑深い山々など豊かな自然環境と美しい景観を持ち、地域を訪れる人々や、住民の生活に潤いとやすらぎを与えている。渓谷や滝、登山などの自然、宿泊施設や温泉、キャンプ場などの観光資源、小栗上野介の史跡、道祖神などの歴史資産、豊田一男画伯など倉渕ゆかりの芸術、安心して食べられる食材や加工品、地域で伝承されている民俗行事など、個々の魅力にあふれている。
倉渕の魅力を有機的に結びつけた活用が、計画のねらい。地域全体を自然と歴史・文化のミュージアムとして、滞在型の観光を提案していく。住民参加による新たな特産品の開発を積極的に行い、都市と農村の交流により活性化をはかっていく。
拠点施設の基本方針は①倉渕の魅力を伝え学べる施設、②地場産業の活性化をはかる農産物直売所、③情報発信と交流の場を骨子にしている。小栗公の資料など歴史民俗資料の展示、豊田一男画伯のギャラリースペース、地元産野菜を使った郷土料理を楽しむ農家レストランを計画。自動車を利用する観光客のため、道の駅機能を持たせ、二十四時間トイレ、大型車駐車場で利便性をはかる。
施設は住民参加型で運営し、民間活力を導入。地域経済への波及効果をねらう。調査では、多くの団体が出店を希望しており、地域の期待が高まっている。生産者の顔が見える地場産品の直売を中心に、魅力ある施設づくりを行う。
施設候補地は、国道406号からのアクセスが容易であること、小栗公関連史跡・道祖神めぐりへの回遊性を高めることなどが条件に考えられている。倉渕物産から榛名神社までの間、倉渕支所周辺、水沼橋周辺の三カ所が検討されている。
小栗公顕彰事業を支援し、地内七カ所の史跡と説明・案内看板を整備する。文化財を紹介するマップなどの資料を作成し、PRしていく。