高崎市医療保健センター・新図書館建設/事業者を決定

(2008年5月2日)

 高崎市がJT跡地で計画を進めている高崎市医療保健センター(仮称)・新図書館建設について公募型プロポーザルを行い、4月17日に優先交渉権者を決めた。

 優先交渉権者は、大成建設株式会社・株式会社佐藤総合計画が、次点交渉権者は清水建設株式会社・株式会社松田平田設計となった。

 同施設建設は、資金調達を高崎市が行ない、民間事業者に設計、建設を一括して委ねる設計・施工一括発注方式が採用された。

 施設は、高崎市中央保健センター、高崎市保健所、高崎市健康検診センター、高崎市休日準夜診療所、高崎市休日歯科診療所、高崎市立中央図書館、高崎・地域医療センター(臨床検査施設)及び地域医療関連団体事務室、付属立体駐車場で構成される。

 現在の医療センターが狭隘であるため、新施設は地域医療の拠点として、長く建設が待たれていた。また、高崎市が中核市に移行することに伴い、保健所の事務権限が県から高崎市に移譲されるため、高崎市保健所は必須の施設となる。

 事業者の公募では、平成19年11月から12月に実施方針と要求水準書、平成20年1月に募集要項を公表。1月末の受付締切日までに4グループから提案書類が提出された。

 選定では、同施設が多くの機能を持つ複合施設であることから、利用者にとって、どこにどんな施設があるのかがわかりやすいことが重要とされた。

 優先交渉権者のグループの提案は、諸室機能が明快に分けられ、シンプルでわかりやすいレイアウトになっていること、全体的にバランスがよく平面計画がうまくいっていることが高く評価された。医療保健センターと図書館とを階段で有機的に結び付け、内部的コンセプト、基本的な動線が優れているという。

 次点グループは、施設前面広場をロビーホールと一体的に活用する発想などが評価された。

 事業計画は、設計施工が連携することによる施工用機材の先行発注や、ITの活用による調達システムが評価された。免震構造とフィーレンディール架構の採用により、地震に強い構造、大きな空間を確保する努力をしていることが評価された。高崎市の公共用財産であることを考慮し、将来的にコンバージョン(転換・改造)がしやすい、自由度が高い構造となっていることが評価を得た。

 図書館の自動化書庫を1階に配置し構造上の安全性を高め、自動化書庫を来館者に見せる手法を採用し、本来ならばデメリットとなるはずの所をメリットに変えているアイデア、またカロリー表示とCO2削減を表記し、健康増進と省エネ効果の期待できる「健康階段」のアイデアは大変面白く、保健センターのあり方とマッチしているものとして高く評価された。

 設備・省エネ対策について、空調が図書館の書架、閲覧席などのスペースで個別に対応できるようになっている点や、カーテンウォールを採用しないことで省エネ効果が高くなっている点が評価された。

 緑地の確保では、立体駐車場壁面の緑化や、施設本体各階の面積差を巧みに利用して設置されたテラスで屋上緑化を行っていることが評価された。

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