高崎商圏の買い物人口60万人/買物行動と意識に関する調査

(2008年5月1日)

 高崎市は、高崎商圏の広がりと吸引力を把握するため、「買物行動と意識に関する調査」を実施し結果をまとめた。この調査は五年ごとに行われており、県内及び埼玉北部の十九市町村の十五歳以上を対象に昨年夏に高崎商工会議所が実施した。

 調査は、最寄品(日常的に消費する食料品雑貨。野菜魚などの生鮮食品)、中間品(肌着、靴下など実用衣料品)、買い回り品(品質やデザインにこだわって購入される品目。婦人ものの洋服など)にわけて、高崎の商圏を分析している。合併により市町村域が変化し、調査結果に影響を与えている。平成十八年十月の「イオン高崎ショッピングセンター(SC)」、平成十九年三月の「けやきウォーク前橋」の開店に代表されるように、大型商業施設が買い物行動に与えている変化を明らかにすることも、今回の調査の目的となっている。

 各市町村の住民が高崎市内で買い物をする割合を高崎の吸引力として表し、商圏をランクづけた。

 最寄り品、中間品は、居住市町村での買い物が多い。中間品の買い物では前橋市と競合している。買い回り品では、高崎市と強く競合する市町村はなかった。

 買い回り品の吸引率50%以上の一次商圏は高崎市、安中市、榛東村、下仁田町。30%から50%未満の二次商圏は藤岡市、吉井町、沼田市、富岡市、上里町、玉村町、中之条町。10%から30%未満の三次商圏は、本庄市、甘楽町、吉岡町、渋川市、東吾妻町、神川村、前橋市、伊勢崎市。10%未満の影響圏は富士見村。商圏の買い物人口は60万3千人となる。平成十四年度の調査と比較すると、1万4千人増加している。

 個人の消費行動を見るために「自分の洋服」などの設問で商圏の吸引力を調べている。洋服の買い物場所では、スズラン高崎店11・1%、高崎市郊外の商店・専門店8・5%、イオンSC7・6%、郊外の大型店7・4%、高崎高島屋6・1%。二十歳未満では高崎ビブレ、二十代、三十代はイオンSC、四十代は高崎スズランが最も多かった。

 贈答品の買い物では、スズラン高崎店19・2%、高崎高島屋15・6%と百貨店が突出している。高崎市民だけを見るとスズラン高崎店が25・9%、高崎高島屋が20・4%と強さを見せている。

 品目による利用店舗は年度による差があまりなく、「食料品」がスーパーマーケット、「家具・インテリア」「家電製品」「文化・スポーツ・レジャー用品」は専門店、贈答品はデパート、とある程度固定化している。実用衣料品、紳士・婦人服、靴・カバンは、五年前に比べデパートでの買い物が減少し、郊外の大型店舗に顧客が分散している傾向が現れている。家具、家電、文化・スポーツ・レジャー用品は、早い段階から郊外の大型店化が進み、一般専門店との住み分けが既に終わっているようだ。

 中心市街地への来街頻度は「ほとんど行かない」52・6%が最も多く、「月に1・2回」が34・0%。高崎市民だけを見ると市東部地域からの来街が少ない傾向にある。二・三年前と比べた来街頻度は「ほとんど変わらない」が40・3%、「かなり減った」34・9%だった。全般的に中心市街地の利用が微減している。行かなくなった理由では「他によく行く店や施設ができたから」47・7%が最も多かった。

 中心市街地に「魅力を感じる」が37・9%で、前回よりも10・2ポイント上昇。「魅力を感じない」が18・7%で、前回よりも5・4ポイント減少。商店街の魅力は上がっていると評価される結果となった。特に二十歳未満の若年層と七十歳以上の高齢者のポイントが高かった。

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