シネマテークたかさき/2スクリーンで企画が広がる
(2008年1月11日)
県内初のミニシアター「シネマテークたかさき」が開館三年目を迎えた十九年十二月、当初からの夢であった二つ目のスクリーンを同館二階に完成させ改装オープンした。
「もっとたくさんの作品を観てほしい」。映画館で上映されている作品は、国内作品だけでも制作数の三分の一程度だという。シネマテークたかさきでは、これまで年間約九十作品を上映しているが「都内で見られる映画の半分も上映できていない」と小林栄子副支配人。また、話題作となった「かもめ食堂」では満席が続き、連日、入場できない人に申し訳ない思いをしていたそうだ。「もう一つのスクリーンがあれば」という気持ちが、スタッフにつのっていた。
今年八月末に、長岡市の映画館で映写機が一基、不要になったことから二つ目のスクリーンが急速に動き出した。長岡から映写機を譲り受け、2スクリーン設立に向けた賛助会員の募集を開始。設計施工を三カ月で完了させ、十二月十五日「シアター2」をオープンさせた。スクリーンが増えたことで一日の上映回数は、これまでの五〜六回から十回程度に拡大する。「作品数、回数を増やすのはもちろん、一つの作品を長期上映でき、客層を広げたい」と意欲にあふれている。
シネマテークは初年度が上映作品が87本で観客数は1万8655人、二年目が94本で2万6731人、三年目が95本で2万445人。延べ276作品で7万1831人。当初の目標だった年間2万人の客入りを達成しているが、経営は楽ではない。劇場売上は十六年度五月期決算で1370万円、十七年度2666万円、十八年度が5068万円。シネマテークのような単館系映画館が成立するのは東京のような大都会に限られ、地方では運営が難しいとされている。同館の立ち上げ母体となっている高崎映画祭は、二十年以上にわたって地道に活動し、高崎の映画文化を耕しファンを広げてきた。高崎映画祭やシネマテークは高崎の文化の象徴の一つと言えるだろう。
小林副支配人は「三月には川島雄三監督特集を計画している。二つのスクリーンになり、一階で川島監督の特集、二階は通常の作品上映ができるので幅が広がる。たくさんの人に映画を楽しんでもらえるようにがんばりたい」と話している。