集客の危機感から生まれた名物料理
(2011年4月)
はるなコケッコー梅しそ明太スパゲティセット - サラダ、デザート、コーヒー付き1,200円(榛名湖温泉ゆうすげ)
副支部長 中島美春さん
はるなコケッコー
榛名湖畔の飲食店で鶏料理のおもてなし
榛名湖うんまいもんプロジェクト『はるなコケッコー』は、鶏料理を名物として県内外にアピールし、榛名湖に観光客を呼び込もうというもの。榛名山麓で育った良質な鶏肉を使った独自メニューを湖畔の飲食店がそれぞれ一品考えて、『はるなコケッコー』という統一ブランドとして提供している。現在20店舗が参加し、メニューのジャンルは店ごとに異なり、うどんやスパゲティ、ハンバーグ、カレー、丼物などバラエティーに富んでいる。価格は650円から1,200円、ホテルや旅館のコース料理になると2,600円というものもある。
ではなぜ、鶏肉なのか?というと、一つには、榛名山麓は良質な鶏肉の産地であり、首都圏でも榛名鶏としてのネームバリューがある。また、榛名地域は梅の産地でもあり、「梅酢」を加えた飼料で飼育された鶏肉(はるなうめそだち)は、保湿力があってしっとり軟らかく発色もいいことをメンバーが実感した。さらに、榛名山にちなんだ伝説にも鶏が登場する。駿河の天狗と上野の天狗が、一晩のうちにどちらが高い山を造れるかを競ったところ、上野の天狗が完成する前に“一番鶏”が鳴いてしまい、榛名富士の高さは富士山に及ばなかったというお話。「地元に関係したストーリー性のある食材のほうが、馴染み安くアピールしやすい」と話す榛名観光協会榛名湖支部の中島さん。
群馬県デスティネーションキャンペーンのプレ企画として、昨年9月より正式にスタートした。榛名湖と鶏で“はるなコケッコー”というネーミングも抜群だ。
地元再発見から始まる地域活性化
榛名湖周辺の食材のイメージというと、約8割の人が「わかさぎ」を挙げる。名物料理の開発は以前からの課題だった。しかも一昨年、昨年と2年連続で榛名湖が完全結氷せず、氷上ワカサギ釣りが中止になり、訪れる客不足が深刻化したことで危機感を感じ、世代や性別を超えた地元の団結が生まれた。
「女性の参加によって名物料理の開発勉強会が本格的に進み、榛名湖温泉ゆうすげのシェフが料理教室をリードして、10種類以上の料理を実際に作って試食することにより、調理への意識や技術の向上も図られました。観光事業のコンサルタントを入れたほうがいいというアドバイスをいただくこともありましたが、盛り上がった地元の機運を大切に自分たちの手で行いたい」と話す中島さん。
地元の小学生の案を採用したロゴマークや、20店舗が考えた自慢のメニューと一緒に料理人の顔写真が並ぶポスターは、地元総出の歓迎ムードや手作り感が伝わってくる。
榛名観光協会榛名湖支部
副支部長:中島美春
高崎市榛名湖町846-3
TEL.027-374-9211(榛名湖温泉ゆうすげ)
高崎商工会議所『商工たかさき』2011年2月号