土産と言ったら「焼きまんじゅう」でしょ!
(2010年10月)
焼きまんじゅう1串150円。お土産セット(4串16個入750円〜)
焼きまんじゅう・各種饅頭製造販売
田舎や
焼きたてのおいしさを再現
上州の祭りや食の原風景を語るとき、まず最初に話題に上る「焼きまんじゅう」。串に刺した酒まんじゅうに甘辛の味噌ダレを塗って炭火で焼くと、炭に垂れたタレが香ばしく、鼻孔が刺激される。かつて忙しい農家や製糸工場で働く女工さんたちの空腹を満たしてきた郷土の味だ。
この群馬名物「焼きまんじゅう」をお土産として届けたい、「焼きまんじゅう」を知らない地方の人に是非食べてもらいたいと思ったことが一度や二度あるに違いない。焼きたてを届けるのが難しいこの名物。ありました「焼きまんじゅうお土産セット」! まんじゅうに刷毛で味噌ダレを付けてオーブントースターで焼くだけで、できたての上州名物が味わえるので、自宅使いや贈答用にお勧めだ。この「焼きまんじゅうお土産セット」、店舗はもちろん、高崎駅構内の観光物産館やネットで販売している。
米と麹と味噌ダレがみそ
父親の家業を引き継いで、「焼きまんじゅう」作りに熱く取り組むこと20年の井上さん、「田舎や」と命名し現在の地に移転して10年目となる。「当店の焼きまんじゅうは、米と麹を合わせて発酵させることから始まります。米をお粥状に煮て、冷ましてから麹を入れ一昼夜発酵させたどろどろの液体に、独自にブレンドした小麦粉を加えて生地を練る。米がちゃんと入っていること、酸味のある香りがすること、これが味の良さやモチモチ感につながっています」と、こだわりを語る。評判の味噌ダレは、父親から受け継いだもので、まんじゅうと味噌のバランスが大事という。大きな鍋でタレを作る時はその日の気温、湿度によって材料の配分を微調整する。「田舎や」のタレの人気の秘密はここにあった。
店舗の裏手の工場では、最新の機械と人の手がうまく融合し流れるように酒まんじゅうの製造作業が進行する。錬る→カットする→並べる→発酵させる→蒸す→冷ます→串を刺す。実にテンポがよくて無駄がない。せいろで蒸す状態に限りなく近づけるために、あえて手間のかかる蒸し布巾を使う。
「焼きまんじゅう」のシーズンは、花見や行楽の時期の3月・4月・5月、そして夏祭りが各地で行われる7月・8月が最盛期、秋には学園祭や運動会などでまた需要が伸びる。夏は朝6時頃から井上さんはフル回転で、奥さんを含め4人の手を借り、一串4個で1,000本から多い時は3,000本を作り続ける。
こうして作られた「焼きまんじゅうお土産セット」が駅と店舗に並んでいる。店舗では注文を受けてから焼いてもらえる、待つこと5分ほど。もちろんショーケースに並ぶ各種酒まんじゅうもおいしい。
店主の井上誠さん
名物をつくろう
学園祭やバザー等、模擬店出店手伝います
「田舎や」では、高校や大学の文化祭や地域の納涼祭、幼稚園のバザー、企業のイベント等で、焼きまんじゅうの模擬店出店を勧めており、コンロ等の用品一式を貸し出す(詳しくはお問い合わせを)。道具とノウハウを提供するなど全面的な支援を行うので、失敗のない模擬店として大人気。東大や筑波大などの学園祭でも大好評だったとか。名物「焼きまんじゅう」を県外にも広めるチャンスだ!
店主 井上誠
店舗・工場/高崎市菊地町157-7
電話:027-343-4580
営業時間/9:30~18:30火曜定休
http://www.inakaya.cc/
高崎商工会議所『商工高崎』2010年9月号