糖度満点、榛名の梨を召し上がれ!

(2010年10月)

糖度満点、榛名の梨を召し上がれ!

清水悟さん

JAはぐくみ久留馬総合選果場梨部部長
清水悟さん

いろいろな品種で、しばらく続く梨シーズン

 現在、榛名地区の梨産出量は群馬県内で生産される梨の50%を占める。シーズンになると下里見、中里見、上里見の国道406号線沿線に多くの直売所が並ぶことから、「はるなくだもの街道」と呼ばれ、8月中旬から11月下旬頃まで、異なる品種の梨が次々に旬を迎え、地元客や観光客で賑わう。梨のシーズン以外でも、ブルーベリー・プラム・桃などが店頭に並び、果物狩りができる果樹園もあり、人気となっている。例年榛名湖畔で開催される『梨祭り』や『ジャンボ梨コンテスト』も、多くの人でにぎわう。

 今年は春先の天候不順などがあって、お盆過ぎからが本格的な梨のシーズンの到来となる。やや小ぶりながら甘みが強くほどよい酸味があって飽きのこない“新水”(7月下旬~8月中旬)から始まり、次に上品でさわやかな甘さのある赤梨の代表品種“幸水”(8月中旬~9月初旬)。そして、大玉で甘味と酸味のバランスが良く濃厚な味わいの“豊水”(9月初旬~10月上旬)、上品な甘さと繊細な果肉の“二十世紀”、甘くて酸味が薄く歯ごたえもほどよく調和している“新高”と続く。

糖度センサーを使って、選定

 一方、国道406号線の北に位置する烏川北岸にある久留馬地域では、現在32軒の農家が共同で運営する久留馬総合選果場がある。光センサーで糖度を測定する糖度計を設備し、出荷する梨の品質を均一に維持しながら市場に出荷することで、高い信頼を得ている。

 久留馬総合選果場梨部の清水さんにお話を伺った。「久留馬地域では、個々の農家が直売所を設置することはなく、販売は選果場のみで行っています。近年、この直販が口コミで広がり訪れるお客様が増えています。ここから出荷される梨の魅力は、完熟梨で、糖度検査をクリアした甘さのあるものだけを選りすぐっているので、おいしさに“間違い”がないところ。梨は常温に置いて、食べる2時間程前に冷蔵庫で冷やすと、美味しく召し上がれます」と話す。

 久留馬選果場のひとシーズンの出荷量は、おおよその数字で幸水が134トン、豊水が180トン、二十世紀が25トン、新高が80トン。ほとんどが県内市場に出荷されるが、新高に関してはもともと横浜の市場からの要望で栽培が始まったこともあり、一部がそちらに出荷され好評だという。

 この地域は榛名山麓の南面に位置するなだらかな傾斜。日当たり良好で水はけも良く梨作りに適した土地だ。昭和30年代の養蚕不況による桑園の転換作物として栽培面積が増加したものの、昭和50年をピークに農家数も生産量も下降線をたどっている。現在は32軒の農家が結束し、最新の技術情報の収集や研修会などに参加し、技術の向上と共有化を図るなど、久留馬地域の梨のクオリティを高く維持している。そして全農家が、環境保全型農業の推進者として“エコファーマー”の認定を受けている。こうした日々の努力が、品評会などで優秀な成績を収めていることにつながっている。

名物をつくろう

 なんと牧野酒造(株)(倉渕町)が今年5月より、久留馬選果場の梨を使ったリキュール『森乃宝珠 ザクザク和梨』1,470円(税込)を発売。“和梨果肉を贅沢に使用し、果肉のザクザクとした食感と芳醇な風味を味わえる「食べるリキュール」。群馬の自然の恵みを活かした珍しい食感をお楽しみください”と、(有)仲沢酒店(八千代町)もホームページでおススメ。大人には、こんな梨の味わい方もいい。ぜひお試しあれ!

高崎市高浜町1034-1
電話:027-343-7351
http://www.nakasake.com/

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年8月号

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