昭和初期にタイムスリップ 癒しの和室でこだわりの酒

(2009年09月)

昭和初期にタイムスリップ 癒しの和室でこだわりの酒「越州」の暖簾がかかる「待家」

昭和初期にタイムスリップ 癒しの和室でこだわりの酒地鶏の酢角煮、揚げ出し豆腐、だし巻(各580円)

待家(まちや)

●古民家が醸しだす稀少な空間

 築70年から80年の古民家。その前の道を通るたび、いつかこの家を借りてお店を開きたいとずっと狙いをつけていたというほどの思いいれをもって、今から7年前にオープンした「待家」。人を待ってもてなす家という意味を込めた。


 「天井が高く、欄間の彫り物が見事で贅沢。移築したり、手を入れたりしたら、“再生”となるので、あるがままの状態を活かすことで、本物が醸しだす情緒の中で、お客様にゆっくりくつろいでいただきたいと考えました」という高野賢人さん。


 そのノスタルジックな空間は、中高年世代には懐かしく、若者世代には純日本風な趣が目新しく、外国人には異国情緒たっぷりに映るようで、わざわざ県外からこの建物目当ての来店客も多い。


●完全貸切りでくつろぐ

 看板も出ていない隠れ家的なお店には1階におひとり様対応のカウンターと、8畳と3畳の個室。2階にも8畳と6畳の部屋があり、ふすまを開ければ20名ほどの宴会も可能。各部屋は個室として完全貸切り。予約優先となるため、一、二週間前には予約を入れておきたい。


 閉店時間は午前零時。それまで白熱灯のやさしい灯かりの下で、時間の経つのも忘れ、ゆっくり話に花を咲かせたり、畳にごろんと寝転んだりしてくつろぐ人もいる。


 外観の“枯れた”雰囲気とは逆に、高野さんをはじめ若いスタッフの心のこもったおもてなしに嬉しいギャップがある。


●こだわりの料理、酒

 日本酒銘柄は、新潟の銘酒「越州」のみ。軒先の『越州』の暖簾を見て店名と勘違いする人がいるという笑い話もある。水にこだわり、昆布や鰹節からとるダシにこだわり、そして食材にこだわる同店ならではの、美味しいお酒を美味しい状態で提供したいというこだわりから「越州」しか置いていない。


 赤城豚や地鶏、倉渕の野菜など地元の食材を使用し、旬の旨みを引き出すように丁寧に手作りされた料理は、一品一品がやさしい味わい。


 宴会料理は3,000円(7品)から。一品料理も380円~とリーズナブルだ。


 シンフォニーロードから横道に少し入ったところ。音楽会を堪能した後に、こんなお店で余韻を楽しめば、かなり濃密な時間を過ごせそうだ。


昭和初期にタイムスリップ 癒しの和室でこだわりの酒

高野 賢人さん

高崎市鍛冶町1-6

電話:027-326-6466

営業時間:17:30~24:00

定休日 日・祝祭日


※メニュー・価格等は取材時点のものです

高崎商工会議所『商工たかさき』2009年9月号


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