高崎に来たら、まずはベルギービールをご賞味あれ!
(2009年8月)
店舗入口
(左)ベルビュー・クリーク 980円(樽生)と(右)パウエル・クワック 850円。それぞれ味を引き立てる専用グラスが用意されている
ベルギービール&ワインのお店レストランmomo(モモ)
●はまりそうな魅力のビール
ベルギービールを知っている人はどれくらいいるだろう? かく言う記者も今回が初体験で、第一印象は、“ワインのようなビール”。コクがありフルーティな味わいにビールのシュワシュワ感もあって、“ビールの苦さがダメ”、“ビールはお腹が膨れるので苦手”という人にも歓迎されそう。といっても、ベルギービールは800種以上もあって色、味、香り、アルコール度数など、多彩で同じものがない。
冷涼な気候のベルギーではぶどうが育たなかったため、麦を使ったビールが誕生した。修道院が醸造所を併設して造るビールは、トラピストビールと呼ばれる。
銘柄ごとに味や香り、泡立ちを最大限に引き出す専用グラスがあるのも面白いところ。チューリップ型、木製スタンド付きなど様々で、トラピストビールには聖杯型。まさにヨーロッパの歴史と伝統に育まれてきたビールといえる。
発酵の形態で「エール」(上面発酵ビールの総称)、「ランビック」(自然発酵ビールの総称)、「ラガー」(下面発酵ビールの総称)の3つに大きく分けられる。例えばランビックビールは、野生酵母を取り入れ、オークの樽の中で発酵し、2~3年以上熟成される。衛生管理上有害なショウジョウバエを食べるクモが大事にされ、樽はクモの巣に覆われるとか。多彩な味わいやウンチクには、“はまって”しまいそうな魅力がある。
●その存在は市民文化のバロメーター
このベルギービールの群馬県初の専門店が、高崎の繁華街・連雀町交差点角のビルの2階にある「レストランmomo」である。100種以上のベルギービールと130種を超えるワインが揃う。
オーナーの篠崎さんは、「どこに行っても同じようなお店じゃつまらない。お客様に発見する喜びや楽しみを提供する店でありたいというのがひとつ。また、努力もせずに高崎だから難しいと言い訳をしたくない」と言う。店を継続するためあらゆる手を尽くす努力家。
稀少な樽生のベルギービールや、旬の素材にこだわってビールで仕上げる洋風料理などを目当てにやってくる県外からのリピーター客も多い。
この店のファンという紳士は、「こういうマニアックな店の存在は、市民文化のバロメーター。この店が存続することがすごい」と話す。確かに興味をそそられ、エールを送りたい店である。まずはこの夏、ベルギービール入門というのはいかが?
篠崎高則さん
高崎市連雀町55-5 山水苑ビル2F
電話:027-324-5425
営業時間:17:00~25:00(予約の場合のみ時間応談)
定休日 第2木曜日
※メニュー・価格等は取材時点のものです
高崎商工会議所『商工たかさき』2009年8月号