映画人も集うそば屋から元気を発信
(2008年11月)
蔵をモダンに改装した店舗
ざるそば/750円
十割そば さぎょう
●そば・茶菓・酒・酒菜
「シネマテークたかさき」の並びにある十割そば「さぎょう」は、長瀬敏幸さんが2005年3月に開店した。店名は、そば、茶菓(さか)、酒、酒菜(さかな)、焼酎と、メニュー構成が全て〝さ行〟で始まることに由来する。
店舗の設計はインテリアコーディネーターのお姉さんによる。向かい合うカウンター席は全部で16席。ロールスクリーンで間仕切りしてあり、スクリーンを上げればオープンな空間にもなる。
お客は、地元の人や「シネマテーク」に来た人、ホテルの宿泊客。常連の単身赴任者が転勤前に奥さんを連れて別れを惜しんでいくような、情の厚い店でもある。
●遊び心や季節感あふれるメニュー
メニューの決定権は長瀬さんにあるものの、お姉さんや、スタッフ武藤祐子さんたちの〝食べたい気持ち〟から発案される。詩情豊かなネーミングの夏季限定「夏雲そば」は、冷たいそばの上に雲に見立てたとろろと素揚げしたかぼちゃ・ししとうなど夏野菜が乗っている。
寒い季節には、とろろと青海苔を混ぜて揚げた「揚げとろろそば」がお勧めだ。季節の青物の一口天ぷらも付く。
そばだけでは少し物足りない人への日替わりまぜご飯は、栗、筍、ジャコ等、季節の風味が豊かである。
●映画館と楽しいコラボ
舞台あいさつや、打合せで訪れる映画監督や出演者たちが、食事に来ることもあった。「シネマテークたかさき」とも積極的にかかわり、楽しいコラボを展開することもある。例えば、映画「かもめ食堂」の上映に合わせ、映画の中に出てきた鮭のおにぎりと浅漬けをプラスして販売したり、「シネマテークたかさき」館長茂木さんのわがままをかなえたメニュー〝茂木セット〟を限定で加えたりする。
「自分たちが楽しみながらお客様をもてなすことで、愛される店になる。今、まちなかは活気がないが、我々が楽しみながら取り組めば、人は集まる」。元気を呼び起こす大河の一滴になろうという長瀬さんや武藤さんの心意気が熱い。
「さぎょう」で、映画監督と隣り合うというサプライズがあるかも。
長瀬 敏幸さん
住所:高崎市あら町65
電話:027-327-0636
営業時間:午前/11:30~14:00
午後/17:00~20:00
(ラストオーダー19:45)
定休日/日曜・祝祭日
※メニュー・価格等は取材時点のものです