国内屈指の「異物除去」技術
(2011年1月)
最終調整が行われている「脱塩洗浄機」
受注生産で、ほとんど職人の手作業で作られる。
松江社長
株式会社機設
食品メーカー泣かせの異物除去
食料品に異物が混入するのを防ぐため、食品メーカーでは、原材料となる食材の洗浄や異物除去に細心の対策を行っている。消費者意識は異物混入に敏感で、ひとたび苦情が発生すると、商品や企業イメージを損なう。ロット単位でリコール回収し、二重三重の損害を伴ってしまう。
機設は、異物除去洗浄機でこうした食品メーカーの悩みを解決する、国内でも数少ない設備メーカーだ。
洗う物も、洗い方も多種多様
機設の「異物除去洗浄機」はシンプル。基本的には高水圧の水流の中に食材を通して洗い流すだけだが、同社の特化技術、オリジナリティが、そのシンプルさに凝縮されている。
食材から取り除く物は、白菜やレタスなどに潜む虫、土、砂、髪毛、カット野菜のクズ、魚の切り身の骨など、客先によってさまざまだ。豚肉、シロップ漬けみかんなどを洗浄する例もある。松江社長も、「これを洗うの?」と驚くことがあるそうだ。
客先からの相談は、食品の品質に関わるだけに、髪毛一本、砂一粒を除去したいと切実だ。「手作業で取り除いている、なんとかしたい」。要望を聞きながら、解決方法を提案していく。独創的なアイデアと経験によって蓄積されたノウハウが、同社の大きな強みだ。
食の安心安全を支える分野で力を発揮
今まで、異物が「本当に取れるね」と客先を納得させる機械が少なかったという。競合する企業は全国に数社あるが、機設は独自技術で競合を寄せ付けず、納入先の評価が、次の顧客を広げる。
これまで北海道から鹿児島まで全国に納品し、食の安心・安全を支えている。同社は昭和50年、会長である父正治さんが創業し、当時は食品殺菌機を中心に手がけ、現在は客先が「困っていることを解決しよう」と、食品加工で使用される圧搾機や脱塩洗浄機、撹拌機など、あらゆる要望に応える。
食の安心安全を求める時流に乗り、信頼を築いた。「業界で名前が浸透してきた」と自信につながっている。
会社概要
株式会社機設
社長:松江友成
高崎市八幡原町2015-3
TEL:027-347-2010
URL:http://www.kisetsu-z.co.jp/
高崎商工会議所『商工たかさき』2011年1月号