自分の店を持つ「夢」を持ち続けて

(2011年1月)

人気の朝採り野菜のパレットが食べられるベジフルランチ 1,580円

Piacere ピアチェーレ

 「お客様を近くに感じるために、声が聞こえるオープンキッチンの店にこだわりました」。オーナーシェフの大澤さんは、料理の傍ら配膳や料理の説明などホールに出てお客様をもてなす。“強く願えば夢はかなう”その言葉通りに、自分の店を持つこと一筋に13年間走り続け、平成21年3月に『ピアチェーレ』をオープンという形で夢を実現した。

 大澤さんは24歳まで大手スーパーのアパレル部門でサラリーマンをしていたが、自分の飲食店を持ちたいという思いから退職し、藤岡のイタリア料理店で働き始めた。料理人としての遅いスタートを取り戻さなければと、料理技術の習得のため、店が終わってからも居酒屋で明け方まで寝る間も惜しんで働いた。

 その店で、イタリア料理店では感じることができなかったカウンター越しに人と触れ合う楽しさを知り、2年でイタリア料理店をやめ、居酒屋やレストランバーに移ったが、自分の持ちたい店はやっぱりイタリア料理の店だと言う思いが少しずつ強くなった。その目標のために高崎市内のイタリア料理店に、いずれ独立したいので働かせてほしいと飛び込みで頼み込み、料理長まで務めた。

オーナーシェフ 大澤仁さん

 『ピアチェーレ』をオープンして3ヶ月が過ぎた頃、パスタの街高崎では他店との差別化が必要だと感じはじめた。今後の展開をどうしようかとあれこれ考えていると、素材の勉強のために資格を取得していた野菜ソムリエの視点を活かしたメニュー作りを妻から勧められた。「市場に出ない有機野菜の調達がネックでしたが、必要な野菜があれば作るよと、農家をやっているソムリエ仲間が言ってくれました」と、応援者も現れ背中を押された。

 オープン2年目を迎えた今年春、野菜を中心としたメニューに本格的に方向転換を図る。すると、野菜のおいしさに驚き、その野菜の話題で会話が弾み、野菜のことを質問してくるお客様が出てきた。

 「目指す方向性が見えてきました。もっと野菜に特化してもいいと思っています」。確信をつかみ新作メニュー作りに余念のない大澤さんは、「夢は店を大きくし、もっと多くのお客様に野菜のおいしさを伝えたい」と目を輝かせる。次なる目標に向かうワクワク感が伝わってきた。

ちょっと一言

『ピアチェーレ』では、カボチャ5種類、ダイコン4種類と、同じ野菜でもそれぞれの特性を活かして、スープやケーキなどに使い分けている。お客様は、繊細なテイストの違いに敏感な30代~60代の女性が9割を占めるという。 現在、高崎産の小麦に野菜を練り込んだ野菜パスタや野菜アイスクリームを試作中。ぜひ一度ご来店を!

Piacere ピアチェーレ

オーナーシェフ 大澤仁
住所:高崎市上並榎町249-9
TEL:027-387-0680
営業時間:11時~15時、17時30分~22時(火曜定休)

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