パンコーナーをトミーの顔に
(2010年10月)
TOMY'S BAKERY
昭和42年に創業のスーパー「エクセレントフード トミー」のインストアベーカリーが「トミーズベーカリー」に生まれ変わった。テナントで入っていたベーカリーが退店。新たなテナントも検討したが、天然酵母など原料にこだわり、おいしくて体に良いもの提供したいというトミーのコンセプトに合う業者が見つからず、自社でベーカリーコーナーを展開することを決意した。
「トミーさんならきっと良いものを作ってくれる」というお客さんの声も背中を押した。
しかし今まで、パンの製造販売はテナントが行なっていたために、同店に知識を持つ人がいなかった。ノウハウを学ぶため業者を探した。「天然酵母は独特のうま味があるが、発酵力が安定しにくく扱いが難しいため、大量生産がしにくい。商売に向かない」と色々な人から言われてしまった。そんな中、豆腐を取引していた相模原の企業が、パン作りの講師もレシピも持っていて、教えてもらえることとなった。
「既成概念にとらわれず、パン作りに関わって欲しい」と新卒社員2名を採用。彼らのほか5名のスタッフを毎週相模原に通わせた。もちろん、冨所さんも一緒だ。猛特訓し、やっと開店にこぎ着けた。
材料に細心の注意を払う冨所さんのこだわりは今も変わらない。スタッフは温度に敏感な天然酵母の管理のため早朝より勤務。冨所さんも酵母の様子を伺うため、午前3時より出勤することもこともしばしばだ。「天然酵母は非常に繊細な生き物です。この夏の猛暑から酵母を守るのはたいへんでした」と目を細める。酵母だけではない。小麦、砂糖、リンゴ、キノコなどの具材も管理の行き届いた国産品のみを使用している。
「まだスタートしたばかり。お客さんの意見を聞きながらトミーならではのパンを作ってゆきたい」と冨所さん。
食パンから総菜パン、ベーグルなど、合わせて約100種類。トミーのこだわりが詰まったパンが今日もショーケースに並んでいる。
ちょっと一言
スタッフの間で近頃人気となっているのが「ふすまのクッキー」。ふすまとは、麦粒の表皮部分。食物繊維、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅が豊富な健康的な食材だ。ふすまをたくさん使ったクッキーは、甘さ控えめ。麦を焼いたときの香ばしさと、隠し味に少しだけ加えた鷹の爪の辛味が食をそそり、噛めば噛むほど味わい深くなるため、つい、手がでてしまいそうだ。価格は380円。ベーカリー内で販売しているので、試してみてはいかがだろうか。
代表取締役社長 冨所正幸
住所:高崎市双葉町12-13
TEL:027-323-2725
営業時間:9時~19時(水曜定休)
http://www.s-tomy.co.jp/
天然酵母・原材料・具材までこだわりぬいたトミーのパン