全国から注文が殺到
(2010年10月)
栗原社長
有限会社辰光電機製作所
職人の経験が信頼され、全国から注文が殺到
辰光電機製作所が製作しているヒーターは、例えばプラスチック成形工場で溶かしたプラスチックが固まるのを防ぐためや、アスファルトが冷えて固まらない様、アスファルト工場でも使われている。その形状も様々で、長方形のものや筒状のものもあり、材料を溶かしたり、溶かした材料が固まらないよう、様々な場面で用いられている。
注文は、ほとんどがオーダーメイドのため量産はできず、1点1点手作業で作られている。ステンレスや絶縁体の板を寸分の狂いもなくカットし、ニクロム線をニッパーなどを使いながら巻きつける。ニクロム線の太さは、髪の毛よりも細いものもある。その技術は、熟練した職人ならではのもの。
「ヒーターを作るときに、一番注意を払っているのは、製品の安全性です」と4月に社長に就任したばかりの栗原さん。工業用ヒーターは、電圧を高めに設定することも多く、同社で作る製品の中には、480ボルトという高圧に耐えられる製品もある。そのために、絶縁体やニクロム線が電気的に耐えられるか、製品に漏電や絶縁不良がないか、特に細心の注意を払っている。
全国各地から引き合いがくる理由は、高品質・短納期であるだけでなく、同業者が国内でも数が少なく、東日本ではここしかない。工業用ヒーターは特殊な技術が必要なうえ、市場が小さく、後継者の問題などから同業社が減り続けている。
栗原さんが自ら制作したというホームページの宣伝力も追い風となり、新規顧客も増え、業務が多忙になっている。
ハイテク時代に通用する職人の手腕
同社の技術は昭和の頃から続く技法で、ヒーターの構造も原始的。時代が移り変わるにつれて、熱源がIH(誘導加熱)などに代わる不安要素もあるが「ヒーターが消耗品であることを考えたとき、コスト面や手軽さを考慮すれば、面状ヒーターの将来はあると思います」と栗原さん。原材料の高騰など、課題もあるが、今後も更なる飛躍を目指している。
現在、取引先はおよそ500社と、多くの企業にその技術力を認められている同社の製品は日本各地の工場に使用されているという。
社長の指揮のもと、7人のスタッフが目を輝かせて汗を流しているその姿を見ると、高崎のものづくりのレベルの高さを自慢したくなる。
有限会社 辰光電機製作所
社長:栗原雅行
住所:高崎市新保町1315
TEL:027-361-3725
FAX:027-363-4829
URL:http://www.shinkou.ecnet.jp/