高度な精度を持つ臨床検査
(2010年10月)
代表取締役の三浦さん
株式会社メディック衛生検査所
郵送に特化した検診システム
東京の大手臨床検査会社に勤務し、医療機関への営業を担当していた三浦社長は、「もっと効率的な検査システムはないか」と常に考えていた。
そして、当時全国的に珍しかった、郵送による検体検査を行っている衛生研究所の存在を知る。ノウハウを研究した後、独立を決意し平成12年出身地の高崎にて法人を設立。社員1人からのスタートだったが、郵送検査システムは経費も比較的少なく済み、小規模な会社でも導入が可能だった。
衛生検査所は、各都道府県知事への登録が必要となる。「郵送検査を取り入れた衛生検査所の申請は県内でも稀で、県の担当者も困惑していました」と当時を振り返る。
臨床検査業界では後発だったが、郵送という検査形態に絞りこむことにより市場を拡大してきた。
更なる業務拡大に向け始動
医療機関で診察を受けた時、採取された血液などの多くの検体は、提携する衛生検査所に検査が依頼される。衛生検査所は、法律で定められた施設基準や、検査体制を満たす必要があり、医療機関と同等の検査精度が求められる。
メディックも、高性能な検査機器を備えており、検査は、国家資格を持つ3名の臨床検査技師が担当し、医師の判断が必要な場合などに対応するため指導監督医を置くなど、万全な検査体制を整えている。
提携医療機関から検査も受託するが、企業と直接契約する、集団がん検診が売上の6割を占める。特に、福利厚生の充実を図る企業に好評で、全国から依頼がある。
メディックは、早くから郵送という独自のサービス事業に着手し、ビジネスモデルを構築してきた。
まさにパイオニアと言えるが、今後は大手企業が参入してくると三浦社長は分析し、すでに感染症の検査業務を立ち上げた。
新たに、日本初となる遺伝子検査機器も導入し、高精度な解析を可能にした。次代を見据え、業務拡大に向け始動を開始している。
定期的な検査で早期発見を
人は病気に対して敏感である。しかし、自覚症状が出るまで医療機関に行かない人も意外と多いのも事実だ。
郵送に特化した検診サービスが受け入れられるのは何故か。それは、自宅に居ながら誰にも知られず、しかも手軽に身体の状態が確認できるからではないか。誰もが自身の身体を常に心配している。検査によって健康を確認することで安心感を得ていると言える。
メディックが支持される理由がそこにあるのかもしれない。
がんの場合、早期発見が最良の治療法であることに変わりはなく、定期的な検査は必要である。
意外と手軽な検査
検体の採取方法は手軽で、採血に関しては、検査キット内の検査針を手の指先に刺し、微量の血液を4滴ほど専用吸着紙に採取する。
検査結果は、測定値により1~5段階で示され、基準値を超える場合は、提携する医療機関の紹介も含め再検査を促す。
しかし、“基準値を超える数値イコールがん”との判断は出来ない。基準値はあくまで参考値であり、その日の体調や個人差もあるため、一度の検査結果だけで断定は難しい。定期的な検査により自分の数値を知ることが重要である。
がん検査の項目は、胃がん、大腸がん、肺がんをはじめ7種類あり、男性用・女性用などのセット検査も用意されている。
県知事登録第50号
代表取締役:三浦勇二
住所:高崎市箕郷町上芝556-1
電 話:027-360-7111
FAX:027-371-1168
URL:http://www.medick.jp/
高崎商工会議所『商工たかさき』2010年8月号