だるまを通してだるま職人をブランド化したい

(2010年6月)

だるまを通してだるま職人をブランド化したいアートだるま はがきサイズ4200円~ A4 サイズ8400円 ~

だるまを通してだるま職人をブランド化したい真下さん

三代目だるま職人 真下輝永

 だるまといえば高崎、誰もが知っている全国ブランドだが、そのだるまを作る職人を知る人は少ない。だるま職人が作る伝統の高崎だるまの価値を知ってもらい、「だるま職人」そのものをブランド化したいと考えているだるま工房がある。


 上豊岡町で祖父の代からだるま職人の真下輝永さんがその人だ。職人が手作りで作る縁起物のだるまにこだわり、「職人」、「だるま」、「縁起物」をコンセプトに、新しい感覚のだるま作りにも意欲的に取り組む。真下さんは、「“だるま職人真下輝永の作るだるまが欲しい”というファンが増えるのが楽しい」と話す。


 新しい感覚のもとで商品化されたのが、「平成21年度グッドデザインぐんま」を受賞した「アートだるま」だ。色紙にだるまの顔や文字を描いて額装する。輪郭などは書かず、だるま作りで描く髭や顔、文字で立体感を感じさせる絵を描く。希望にあわせて祈願文字や名入れもしてくれる縁起だるまだ。


 このアートだるまは、だるまの髭をチラシの裏などに書いていたのを見た奥さんの玲子さんが、従来のだるまとは違った魅力があると直感し「額装して飾りたい!」と思ったのがキッカケだった。すぐさまスケッチブックに書きとめてもらったところ、上下左右の顔の向きで睨みの角度が違い、迫力があり立体感のあるだるまが次々に書かれていった。真下さんの頭の中には、だるまの絵が立体的に描かれているのであろう。


 普段は無口だが、お客さんとはよく話す。話しているうちに、その人の祈願を成就するだるまの顔が思い浮かぶからだ。安産祈願のだるまはその喜びと期待を託し、母子の安全を守ってくれるように柔らかめの線を使ってやさしさやぬくもりを表現したり、必勝、合格、目標達成などここ一番外せない!という時は力強い線を使って威厳をもたせたりする。「伝統を受け継ぐことはとても大切。しかし、ライフスタイルも変わり“新しくもあり伝統的な”だるま作りをしたい」といろいろな発想でだるま作りを行う。


 奥さんの玲子さんがお客様とのやり取やネットショップを担当し職人をプロデュースしている。「PR」と「職人」。それぞれが役割分担をして新感覚のだるまを発信することにチャレンジしている。

ちょっと一言
最近、NTTコミュニケーションズのオンラインストレージサービスのオリジナルマスコットをだるまにしたいと要望があり「cocoa君だるま」を制作した。オリジナルだるまの注文は断ることが多い。真下さんの考えるだるま作りの範囲を超えてしまうからだ。今回は使い方が目標達成の祈願、そして縁起物を制作している人の手で作ってほしいという考え方が、真下さんのだるま作りの考え方と一致して金型からだるま作りを始め、新しい感覚のだるまが出来上がった。

だるまを通してだるま職人をブランド化したい

住所:高崎市上豊岡町156-1
TEL:027-386-4332
http://www.mashimo-terunaga.com/

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年6月号

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