しっかり手渡されたバトン/お互いを認め合う父子の絆

(2010年2月)

しっかり手渡されたバトン/お互いを認め合う父子の絆

しっかり手渡されたバトン/お互いを認め合う父子の絆武藤保宏社長、保会長

株式会社カレーム

 

 初めて生クリームを使ったケーキを販売し、高崎の洋菓子界の一時代を築いたカレームが、今年の10月で創業45周年を迎える。昨年には二代目の保宏さんが代表に就任し、創業者で父親の保さんは会長となった。


 創業者としては、自分の築いたものを子に譲りたいという想いは当然であるが、職人としての技術やセンスを磨く過程には、苦労や挫折もあるはずで、立派な成魚になって戻って来るという確証はない。


 幸い保宏さんには絵を描くことやコツコツと物を作ることが好きという父親譲りの性分があり、子どものころは絵のコンクールで賞を取ることも多かった。また、高校時代はインターハイのボクシングで見事準優勝に輝いた経歴があり、息子のセンスと打たれ強さ、辛抱強さを信じていた父と母は、見学して回った中で一番厳しそうな店を、息子が菓子づくりの一歩を踏み出す修行先として選んだ。保宏さんも「厳しいのは当たり前」と、5年間の修行期間に技術力を養い家業に入った。しかし、そこには兄弟子たちもいて、社長の息子が戻ったことで小波が立つこともあった。それを保さんは、職人たちに分け隔てのない態度で接する姿勢を貫くことで和らげた。


 「真面目で、周りの人を大切にする人」という保宏さんの父親評の通り、保さんは“人の3倍作れば上手になる”と考える努力家。人望も厚く、群馬県洋菓子協会会長などを務め業界の発展に寄与してきた。


 一方、「ケーキ職人も、アスリートのような気持ちでやってきました」という保宏さんは、ストイックに技術向上に努め、数々のコンクールで金・銀・銅賞を網羅する優秀な成績を収め、誰もが認める存在となった。今では、熱心に後進の指導に当たっている。


 「技術もセンスも息子は私よりずっと上」。「今は好きなゴルフがいつでもできます」と相好をくずす保さんの喜びは、45年の苦労も吹き飛ぶほど深いようだ。


ちょっと一言

 カレームの店舗には季節や行事を反映したスイーツがいっぱい。2月19日(金)~23日(火)の5日間は、お得な「苺フェア」を開催する。旬の「厳選とちおとめ」を惜しみなく使ったケーキ3種を大特価でご提供。数量限定なのでお早めの来店を!


株式会社カレーム
会長:武藤保 代表取締役:武藤保宏
本店:高崎市上並榎町1134-10
TEL:027-362-8672
営業時間:10:30~19:30水曜定休


 

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年2月号

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