LED蛍光灯を自社開発/品質と低価格で大手に挑む
(2010年2月)
LED蛍光灯製品。製品の詳細・販売は直接同社へ
代表取締役 山森利行さん
株式会社トステック
●高まるエコの風潮とLED蛍光灯の普及
トステックはLED(発光ダイオード)蛍光灯の開発・製造・販売を行っている。LEDは10年ともいわれる長寿命と、一般的な蛍光灯に比べ消費電力が約1/3ということで人気を集めている。大手企業も次々にLED商戦へと参入し始めているが、トステックのLED蛍光灯は他社製品の半額以下で品質も良いと注目を浴びている。
●メイドインジャパンへのこだわり
制御盤を中心とした産業機械関連の設計・製作をしてきたトステックに転機が訪れたのは4年前。山森社長が中国を訪れた際、上海の電気店でLED蛍光灯の存在を知った。中国では電力供給が追い付かないという事情があり、日本より早くLED蛍光灯が使われていた。これからは日本も省エネ商品は売れると見込みLED蛍光灯の自社開発に取り組み始めた。
大手企業が採用しているコスト高となる“高輝度LED”にこだわらず、安価で発熱の少ないLEDを使用することで低価格を実現した。例えば高輝度LEDタイプの蛍光灯は、60個のLEDで明るさを確保しているが、安定した明るさを保つために冷却装置が必要になる。トステックでは高輝度LEDの約1/20の価格のものを高輝度タイプの約5倍使うことで明るさを確保しつつ、発熱量が微量のため冷却装置も不要となり低コストを実現した。
部品は中国の協力工場で生産し、日本で組み立てるという製造法を採用。「海外製品では品質が安定しない場合があります。最終的に自社で組み立て、検査することで厳しいチェック体制が確立でき、ユーザーからの信頼に結び付くのです」と山森社長。こうして開発したLED蛍光灯は現在、特許申請中。「特許を取得できるだけの技術と、他を圧倒する低価格が大手に対抗する最大の武器」と期待を寄せている。
●LEDブームをさらに加速させる
「高寿命なLED製品にリピート客は期待できません。常に新規客の獲得を目指していきます」と山森社長。現在は省エネ対応を進める企業、工場などの交換需要が中心だが、今後は一般家庭の利用も視野に入れ、さらなる低価格への挑戦とLED電球などのバリエーション拡大へ向けた商品開発にも取り組む。
ベンチャー企業として、安価で質の良い製品を他社に先駆けて供給することで省エネに貢献したいと、大手に挑むトステックには勝算があるようだ。
株式会社トステック
代表取締役:山森利行
TEL:027-360-5359
FAX:027-353-6227
URL:http://www.tosinfo.co.jp/
高崎商工会議所『商工たかさき』2010年2月号