森林荒廃を防ぐため県産材のログハウスを造る
(2009年12月)
ダブテイルロック工法で施工したログハウス
代表 馬場宏彦さん
NPO法人 ハルナログ工房
ハルナログ工房では、県産材を用いた木造の家造りに力を入れている。代表の馬場さんは、カナダでログハウス建築の仕事に携わった経歴を持つ。その経験を活かし、日本の在来工法とログ工法を融和させ、風土に合った木造建築に取り組んでいる。
柱に台形の溝を切り、溝に沿ってスライド式にダブテイル(鳩の尾の形をした突起)のついた角材を落とし込む「ダブテイルロック工法」は、計算された木の組み合わせによって横加重に強い。金属をも上回る強度を誇り、優れた耐震性を持つ。「私達は、柱や梁が壁中に隠れない真壁構造を採用しています。木の呼吸を妨げないので調湿作用に優れ、木の表情を楽しむことが出来る快適な住居が完成します」と馬場さんは話す。
最も特徴的なのは、原木を仕入れ、乾燥・製材をも自社で行っているということだ。使用する角材は原木を自然乾燥させた後にプレカット機で1本ずつ切り出す。丸太の風合いを大切にしたい場合にはチェーンソーを使って木材を加工するなど、施工イメージに合わせて規格にこだわらない製材を行っている。「木造住宅を普及させるには『国産木材は高い』というイメージを払拭する必要があります。出来る限りの作業を自社で行い、コストを抑えています」と馬場さん。30~40坪の家であれば1,000万円台から建てられるというから驚きだ。
森林保全のNPO活動も行っている馬場さんは「日本の森林荒廃は深刻な問題です。私が県産材を使った家造りにこだわるのは、木材の消費を拡大することで、山林の伐採・植林・手入れという整備サイクルを促して、森林づくりに貢献したいと思ったからです。やはり木材を消費するには木造の家を造るのが一番」と話す。『地元の木材で家を建てることが、その土地にあった家造りでもあり、愛着と環境への関心を生む』このメッセージを込めた家造りが、ハルナログ工房の手によってさらに普及することを期待したい。
自分で創れるキットハウス
骨組みまで施工を依頼し、その後は施主自身が家を造るというセルフビルドキットハウス(ワンルームから3LDK)も取り扱っている。必要に応じて材料の供給や施工のバックアップも請け負う。時間にゆとりのある方、手造りにこだわりたい方は試してみてはどうだろうか。
NPO法人 ハルナログ工房
代表:馬場宏彦
住所:高崎市箕郷町西明屋956-12
TEL:FAX:027-371-2598
URL:http://harunalog.com/
高崎商工会議所『商工たかさき』2009年12月号